ブシ(武士沢騎手)がようやく重賞を勝った。真面目で一生懸命で、ちょっと堅物で…。そんな人間が努力の末にこうやって結果を出したっていうのはすごく嬉しい。
レースを見たみんなも思ったかもしれないけれど、仕掛けどころとしては少し早かった。でも、レース後にブシはこういっていたんだ。「馬の気分を損ねたくなかったんです」って。トウショウナイトは下手に抑えると行く気をなくしてしまう馬だから、その面をケアした結果の早仕掛けということ。コンビを組んで23戦、この馬を知り尽くしたブシだからこその判断だったんだ。
レースを見ていて「どうしても勝ちたい、勝たせたい」というブシの気持ちが馬に伝わったと感じたのが、ゴール前、アイポッパーに詰め寄られたときにグイッともうひと伸びした瞬間。こういうのは胸が熱くなるよね。人馬はともに重賞初制覇。この勝利を切っ掛けに、どちらもひと皮むけてほしい。
西ではアストンマーチャンが鮮やかな勝ちっぷり。距離不安をいわれていたけれど、ユタカが抑える競馬を成功させて新味を引き出した。先々を見据えての騎乗だったと思うんだけれど、それがいきなり結果になって表れたね。こんな余裕のあるレースができるんだったら、1600mの本番でも距離面では心配ないだろう。
隼人が乗ったハロースピードはちょっと消化不良な内容。器用な脚がないぶん毎回スタートには気を使うんだけれど、今回は特にイメージ通りにいかなかったね。それに終始外を回らされたのも痛かった。最後までレースの流れに乗れずじまい。隼人もそうだろうが僕も残念な気持ち。次走以降に期待しよう。
2歳牝馬戦線は、このレースでアストンマーチャンが一歩リードといった感じかな。鮮烈な勝ち方以上に、ユタカがこの馬に抑える競馬を覚えさせたということが大きい。次走はもっと素直に折り合いがつくはずだ。
最近は結果重視。乗り方をいろいろと変えるたびに非難されたりするけれど、馬の可能性っていうのはレースの仕方を何パターンも経験することで広がっていくもの。そういう意味では、より強い馬を作るためにも今回のユタカみたいな「ひと皮むけさせる」騎乗がもっと多くなってもいいと思う。



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