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坂井千明・プロフィール

坂井千明
元JRA騎手。現在は競馬番組キャスター(ウハウハ競馬・テレビ埼玉など)を始め新聞・雑誌で幅広く活躍中。また、乗馬学校、JRAイベントなどでの実地の騎乗指導にも力を入れている。

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坂井千明のコースの達人
元馬場委員長としてJRA全競馬場の改修に携わり培った知識が凝縮したコース本の決定版です。


ファイナルチーム
坂井千明・伊藤友康を筆頭とした最高の人材が、「真の関係者情報」を公開します。

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まず結論からいうと、メイショウサムソンの成長が今年の天皇賞の最も大きなポイントだった。

一抹の不安要素だった距離が精神面の成長で克服できたということだ。

レースを見たみんなも気付いたと思うけれど、サムソンはこれまでのレースで時おり見せたような折り合い面の不安をまったく見せることなく、淀の3200mをピタッと折り合ってみせた。

そうなれば、前回にも話したようにサムソンの能力はこのメンバーでは抜けている。この勝利は当然といってもいいすぎじゃないくらいのことだと思う。

では、なぜサムソンは成長できたのか。ここからは僕の推測になるが……答えは調教法じゃないかな。

ちょっとした何かだと思うんだけれど、高橋成厩舎に移籍してから調教が変わった。それが意図的かどうかも難しいところだが、ともあれそれがサムソンの精神面に好影響を及ぼした……僕はそう考えている。

さて、2着以下の馬だが、エリモエクスパイアはユーイチが上手く乗った。騎乗だけなら勝っていたが、ここぞというところで前の馬が下がってきたのが痛かったね。そこはレースのあやだが、あれがなければ…と思わせるシーンだった。

トウカイトリックは長距離適性をいかんなく証明した。4着のアイポッパーは、乗った本人も納得がいかないレースだったんじゃないかな。

僕がひそかに期待していたトウショウナイトは5着。まさにギリギリのつくりだった。見ているほうは「ここで動け、あそこで動け」と力が入るけれど、乗っているほうはどうだったんだろう。そっちのほうが以外と冷静だったかもしれないね(笑)。

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2007年4月27日

GI実績となると寂しく見えるメンバーだが、それでも長距離適性は現役でも一線級といえる強豪が揃った。それが今年の天皇賞の実情だと思う。

そのなかでも、マラソンランナーとして僕が評価しているのがアイポッパートウショウナイトトウカイトリックの3頭。

それぞれ持ち味が異なり、アイポッパーはスタミナと切れ味を兼ね備えたタイプ。トウショウナイト、トウカイトリックは純粋なスタミナ勝負、切れ味はないもののしぶとく伸びる馬だ。

ほかにも注目馬をあげると、上がり馬の魅力があるネヴァブション。前走はハンデ差もあったが切れ味を見せた。穴馬的にはダークメッセージもおもしろい。近走のレース内容からは長距離の適性がうかがえるし、瞬発力も持っていそうなんだよね。

前哨戦・大阪杯を勝ってここに臨む二冠馬メイショウサムソンだが、距離適性の面では本質的に2500mくらいまでの馬なんじゃないかと思う。もちろん能力はトップクラスだし、勝っても何ら不思議はない。個人的に春の天皇賞というイメージから、王道をいく馬に堂々と勝ってほしいという気持ちもある。

レースのポイントを握る人馬はどのレースにもいるものだが、ここではノリとマツリダゴッホがひとつのポイント、パズルでいえば重要なワンピースを持っていそうだ。

僕の眼には、日経賞はこの馬の脚を試したようにも映った。勝ったネヴァブション、2着トウショウナイトというのは本番でもライバルになると読んでのことかもしれない。

あれとまったく同じ乗り方だとちょっと厳しいと思うが、ノリのことだ、今回は何か考えてくるはず。そういう意味でも、マツリダゴッホには注目したい。

そうそう、そういえば、ある騎手が「アンカツさん、タイミングいいよな」って話をしていたらしいよ。ちょっと気になる言葉だよね。

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実は今年の天皇賞に、僕が乗ったことのある馬が出走する。どれだかわかるかな?

正解はトウショウナイト。この馬がまだ2歳のころ、2003年の芙蓉Sだから、僕が引退する1年前ということになる。

レースは4着(9番人気)という結果だったけれど、跨ったときの印象は「精神的に難しいところがある馬」というもの。まだ精神的にも成長途上の時期だったとはいえ、ちょっとでも嫌なことがあるとすぐにレースをやめてしまう困った癖があったんだ。

それがいまではどうだ。素直になってきたというか、気性が落ち着いてきた。メンタル面での成長にともなって成績も安定してきて、重賞でも大崩れすることがなくなってきた。自分が跨ったことがあるだけに、「力をつけてきたな」って感慨深い。こうなるのがわかっていたら、引退を先にのばせばよかった(笑)。

冗談はさておき、主戦のブシもこの馬を手の内に入れている。日経賞はちょっともったいない2着だったが、本番に向けてある程度の手応えも掴んだはず。3200mの距離もドンとこいというタイプだし、頑張ってもらいたい。GIを勝って、僕を悔しがらせてほしいよね。

ナイトの定石は早めの仕掛け。いまの京都はDコースで幅員が狭くなったから、先行、マクリも以前よりは決まりやすい。人気は関西馬に譲るだろうが、健闘できるんじゃないかな。

今日は僕の思い入れで、1頭だけの話になってしまった。たまにはこういうのもいいかな? ともあれ、ほかの馬に関しては金曜日に報告させてもらいます。

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これは厳しいかな、と思ったんだけれどね。ベッラレイア。直線で前が壁になったときには、よくて3着かというところだったと思う。

それでも外に出してからの弾け方、これはハンパじゃなかったね。強い。乗り方としてはスタートがよかっただけに、もっと前にいっても……と思ったけれど、オークスの2400mを見越して抑えたのかもしれない。まぁいずれにしてもこれだけの能力を見せたことで、本番に向けて楽しみが広がったといえるだろう。

そのベッラレイアに対して、上手く乗ったのに負けたのが2着のミンティエアー。4コーナーで勝ち馬がもたつく間にその内をスーッと伸びた。レース振りにでは上をいったのにも関わらずこの結果だから、能力の差なのかもしれないね。ただ、この馬もオークスで再度注目してみたい存在だ。

3着のイクスキューズは、途中までハマりかけていたんだけれどね。あれだけスローで流れて、最後我慢できない、止まっているわけじゃないんだけれどもう一度伸びてくれないというのは距離の壁なんじゃないかな。


この日はジョッキーマスターズが行われた。お客さんもたくさん入って盛り上がった。やっぱりこういうイベントはいいよね。お客さんにどうやったら喜んでもらえるか、競馬場に来てもらえるか。今回の成功が、今の競馬界が抱える、そんな問題の答えになる……。僕はそう思っている。

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オークス戦線。2強といわれるウオッカダイワスカーレットに割ってはいる存在がはたしているのか……ということが焦点になっているね。

そういう意味で、最も注目されているのがフローラSのベッラレイアだろう。前走の勝ちっぷりは、僕が見ても素晴らしいと思った。まさに横綱相撲という感じ。あれだけいい脚を長く使うタイプは牝馬では珍しい。ただ、あくまでも条件戦だっただけに、ここが本当の意味での試金石になる。

このレース、実績ではナンバーワンといえるのがイクスキューズ。桜花賞から中1週というローテーションは確かにキツイが、北村が自信ありそうだったのは気になっている。ただ牝馬の体調は変わりやすいだけに、特に厳しいローテーションでくるこの馬は当日の気配や馬体重には注目したいところだ。

東京の2000mというのは基本的に先行馬が有利だけれど、当日は微妙な空模様。あまり馬場が悪くなると、切れ味型のベッラレイア、ミンティエアーあたりはキツくなるかもしれないね。

ほかにはここまで5戦して全レースで連対、堅実タイプのホクレレ、マサミが乗って、穴人気になりそうなマイネルーチェには注目している。

ルーチェは飼い葉食いがよくなっているという話だから、状態はよくなっているんだろうね。長い脚を使うような馬じゃないから、「一カ所の脚」をどこで使うかがポイントだ。ものすごくハマれば……おもしろいかもね。

最初にいったように、ここは2強に向けての挑戦権を得るような意味合いがあると思う。それだけに、ただ勝った、負けたじゃなくて、どんな勝ち方をしたか。2400mの本番につながるような勝ち方だったか。そこのところを見たいレースでもあるね。

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今日は雨。このぶんだと明日も降り続くのかな。少し肌寒く、小春日和が恋しくなる天候だね。

さて、今日もいただいたメッセージにお答えしていこう。


まずは、「競馬界で女性はどれだけ活躍しているのか」というもの。これは結構多いんだ。調教師こそいないものの、騎手、調教助手、厩務員と女性のスタッフが活躍している。

女性のスタッフのいいところは、やっぱり手掛けている馬が優しくなるところかな。馬は担当する人の性格がそのまま出るからね。

結婚して、子供がいる人だっている。大変だと思うけれど、みんな心底馬が好きなんだよね。そうそう、さっき調教師はいないといったけれど、海外では女性のトレーナーもいるんだよ。


もう1問は4月22日におこなわれる『ジョッキーマスターズ』について。これは個人的にいい試みだと思うよ。ファンのみんなも往年の名ジョッキーの騎乗に喜んでくれるんじゃないかな。

馬券は売らないみたいだけれど、せっかくだから売ればいいのに、と思う。あと、関東だけじゃなく関西でもやってほしいよね。年に1、2回とか、定期的にやってもいいんじゃないかと思う。

ただ、直線で激しい叩き合い……みたいなことにはならないと思う。ミキオとか本田みたいに最近まで乗っていた連中以外は、たぶんみんな息がもたないんじゃないかな。元乗り役だから、乗るのはもちろん乗れる。でも本当の競馬ってのは想像以上にハードなんだ。今回はあくまでもエキシビション。見ているみんなが楽しんでくれれば、それでいいと思ってみんな乗ると思うよ。もちろん、僕も楽しみにしているよ。

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直線で、「どっちも頑張れ」が僕の本音だった。マサミも応援していたし、カツハルにも勝ってほしかったからね。

でも、この1、2着はあっぱれな競馬だったと思う。サンツェッペリンのマサミは思いきった競馬ができた。ポイントはペースを落としたところで、うまく息が入れられたところかな。それが直線での粘りに結びついたんだと思う。

カツハルも、テン乗りにもかかわらず、ヴィクトリーという難しい馬のことを理解していたね。ペースが落ちたところで少し馬がかかったんだけれど、そこで気を抜かせたというか、息を入れたんだよね。そうしたら単走で逃げるかたちになって、気分よく自分のリズムで走らせることができた。あそこで抑えていたら正反対の結果にもなりかねなかったんじゃないかな。

負けて、その強さをあらためて感じたのが3着フサイチホウオーだ。直線の伸び、加速してからのスピードには目を見張ったね。特に体の使い方が素晴らしかった。体全体を使って伸縮するようなイメージ。こんなホウオーははじめてだった。負けはしたものの、次につながる「伸び」だったように思う。

4着はアドマイヤオーラ。乗っているユタカにしてみれば、ホウオーがあんなに後ろなんて…という気持ちだったかもしれない。あの馬の勝負根性、競っての強さを知っているだけに、ホウオーの前にはつけたくなかっただろうし、できればさらに後方から出し抜けをくらわせたかったはず。こちらもいい脚で追い込んではきているんだけれど、いかんせん位置が後ろすぎた。これはホウオーも同じだけれどね。

皐月賞のレースを振り返り、ダービーを考えると、僕にはホウオーの末脚が強く印象に残る。距離も問題ないだろう。今回はスタートしてもたついたが、久々を叩いた次走はそれも解消されるんじゃはないかな。もう1頭、距離延びていいのがサンツェッペリン。自分の競馬ができればおもしろい存在になれるかもしれない。

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枠順が発表された皐月賞。人気が予想されるフサイチホウオーは1枠1番。くしくもお父さんのジャングルポケットと同じ枠、同じ馬番になった。

枠的にはそんなに悪くない。もともと先行タイプだし、包まれるようなレースにはならないだろうからね。4戦4勝でむかえる皐月賞、この馬が動けば他も動く……といった中心的存在だ。

無敗のホウオーに対するのが、外枠にかたまった有力馬だ。関東馬・ココナッツパンチは今日の歩様がゆったりと落ち着いていて好感がもてた。吉田豊と話をしたら「いいといっても相手が強いからね」なんてニュアンスだったけれど、個人的には、悪くないんじゃないかな、という印象。

同じく外に入ったヴィクトリー。この馬、能力はかなりのものがあると思うんだけれど、いかんせん気性がアテにならない。侮れない存在には違いないが、折り合い次第という条件がつく。

そのヴィクトリーにしても、アサクサキングス、マサミが乗るサンツェッペリンにしても「なにがなんでも……」という逃げに出る馬はいなそうなのが今回。

あえて挙げればサンツェッペリンかな……。逃げるかどうかは別としても、持続力で勝負するタイプだけにある程度早めの仕掛けになると思うよ。

そうなると、ペースは速すぎもせず、遅くもないという平均の流れになりそう。こういう展開で台頭してくるのは、一瞬の切れ味があるタイプだ。

その一瞬の切れ味を、アドマイヤオーラは持っていると思う。完成度の高い、ゴムまりのような走りは一発の予感を感じさせる。形的にはココナッツパンチに詰め寄られたようにも見える弥生賞だが、その実はまだまだ余裕のある勝ち方だった。本番の今回はひと味違うだろう。あとはどこで、どう仕掛けるか、だ。

僕の考える理想はこうだ。ホウオーが直線で前の馬をとらえ、その類い希な勝負根性で襲いかかろうとする瞬間、離れた外から一気に交わす……。ホウオーに勝とうすれば、僕ならこの手がいいと思うんだよね。

同じく切れ味タイプのドリームジャーニーは、折り合いがすべて。闘争心がありすぎて気負っちゃうタイプだから、そこは以前に話したように、パドック、返し馬に注目したい。そこでどこまで落ち着かせられるか、ってこと。戦いはすでにはじまっているんだからね。

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昨日は雑誌の取材で京都へ行ってきた。東京の桜はすっかり葉桜だけれど、向こうは満開からほんの少し過ぎただけ、という感じ。思わぬ目の保養をさせてもらったよ。


今週は皐月賞が行われる。ある騎手も「今年は勝ってもおかしくない馬が何頭もいる」といっていたように、混戦模様。そんななか今日の追い切りでは、サンツェッペリンフライングアップルココナッツパンチに注目した。

サンツェッペリンは前走に比べると肉付きがよくなってきた感じ。肩の筋肉なんかもついてきたね。そのスプリングSは負けたとはいえ内容的には次につながるものだった。本来叩き良化型だけに、上積みはあるはずだ。

変わってきたのはフライングアップル。先週よりも硬さがなくなって、動きに柔らかみが出てきたね。

乗り役(吉田豊騎手)が「具合いいですよ」といっていたのがココナッツパンチ。切れ味のあるタイプだけに、レース展開次第では上位進出もあり得るんじゃないかな。

これらの関東馬以外にも、無敗のフサイチホウオー、弥生賞を制したアドマイヤオーラ、渋いナムラマース、怖いヴィクトリー……と力のある馬が揃った皐月賞。関西馬も含めた詳細な報告は金曜日にさせてもらいたいと思っているので、ぜひご期待ください。

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2007年4月 9日

負けたなかにも勝機を見出す。チューリップ賞の敗戦を糧に、見事に巻き返してみせたアンカツとダイワスカーレット

スローペースもあり、早めの動き出しがハマった。前走のようにウオッカを待って馬体を並べることなく、先に突き放したのが正解。まさしく「この馬の競馬」だったと思う。

馬もよくなっていたね。チューリップ賞と比べてもハリがあった。レース前、松田国調教師が「調教法を変えた」ともいっていたが、結果的にそれがあたったんだろう。

スカーレットは馬券ブレイクで対談させてもらった大城敬三オーナーの持ち馬。桜花賞制覇がオーナーの悲願というのを聞いていただけに、僕も自分のことのように嬉しい。オーナー、おめでとうございました。

トライアルとは反対の結果になった2着ウオッカ。4コーナーでの反応が少し鈍かったかな…。この馬本来の動きになかったように思う。目に見えない疲れもあったのかもしれないね。

3着カタマチボタンは、成長途上の段階でこの結果なら優秀といえるんじゃないかな。課題は瞬発力だけれど、かかるところもないし、血統的に距離が延びておもしろいタイプ。いまや関東馬の星だけに、オークスも注目してみたい。

ローブデコルテイクスキューズの4、5着馬はどちらも出が悪かったにもかかわらず、よく追い込んできた。前者はカタマチ同様、距離延びていいタイプだと思う。

スムーズにいかなかったのはアストンマーチャン。スタートがよかったのが逆にわざわいした感じ。ポンと出たらどうしてもいきたがってしまうだろうから、あのスローペースはこの馬にはキツいね。結果的にひっかかってしまい、能力を出し切れない残念なレースになってしまった。

敗戦を糧に、ダイワが見事花開いた桜花賞。持続性の脚を披露したこの馬にとってオークスへ向けても視界が開けたのは間違いないが、次は全馬にとって初の2400m。巻き返しをはかるウオッカはもちろん、距離延長がプラスになりそうな今回の3、4着馬。さらには未知の魅力を持つ、別路線組など。3強の構図が崩れた桜花賞後、牝馬戦線はより目が離せない展開になった。

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2007年4月 6日

ウオッカダイワスカーレットアストンマーチャンの3強ムードで盛り上がっている今年の桜花賞。でも、僕の考えではちょっと違うんだ。

その考えについて話す前に、まずは第2グループで注目している馬について。まずは前回でも触れたカタマチボタンイクスキューズ。前者はまだ成長段階という印象で、日に日によくなっている感じ。後者は逆に、すでに完成されているタイプ。アッと驚くような変わり身はないかもしれないが、能力なりの力を出せそうだ。

もう1頭、前走の勝ち方がよかったエミーズスマイル。船橋所属ながら寒竹賞、アネモネSと連勝しているこの馬は侮れない。社台ファームが地方競馬をかいしてクラシックに送り込むという、この試み自体も興味深いね。

さて、最初の話に戻ろう。有力3頭のなかで僕が一番乗りたい馬を選ぶならば、カミソリの切れ味を持つアストンマーチャン。……なんだけれど、同時にこの馬は1600mの桜花賞では難しいとも思っている。

懸念は折り合い面だ。あのユタカがあれほど折り合いに苦労した前走を見ると、ウオッカ、ダイワの2頭に比べてどうしても「イチかバチか」という印象が強くなる。この2頭を負かすだけの力はあると思うのだが、その力を出し切れるかどうか、だ。

たとえるならばアストンマーチャンの切れ味は諸刃の剣なんだ。

それでも、逆にいえばこのレースで最も興味があるのは、この乗り難しい馬をユタカがどう乗るか。僕自身、難しい馬でチャレンジするのにやりがいを感じるタイプだったから、そこは大いに注目しているんだ。

枠順的には、有力3頭にとってはありがたいんじゃないかな。すべて外枠に入ったけれど、改修された阪神コースは、他と能力に差のある馬にとっては有利なんだ。内だと包まれてしまう危険性もあるが、外ならば邪魔されないという意味でね。

この3頭以外は、いわゆる第2グループ。ここは横一線という感じだから、間違いなく勝ちにいく3頭のうち、どれか1頭が消耗してつぶれるようならば、勝ちは捨てて着を狙うような、アッと驚くような馬がきても不思議じゃない。今年の桜花賞は、単純な「3強」の構図ではないと思うよ。

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さっき電話で話していた人によると、東京は夕立とのこと。こっちは快晴なんだけれどね。先週末が満開だったという東京の桜。この雨で散ってしまうのはちょっと早いよね。


いよいよ今週末は桜花賞。本格的なクラシック戦線のスタートだ。どちらかというと関東馬は劣勢という前評判だけれど、どっこい美浦の陣営も気合いが入っていたよ。

まずはカタマチボタン。先週2本追ったほどだから、体調は上がってきているはず。飼い葉食いもいいらしく、僕の目にも馬体がしっかりしてきたように見えた。当日は恐らくプラス体重なんじゃないかな? 成長分ととらえるか太め残りと見るかはわかれるだろうけれど、僕は前者だと思う。

クイーンCの覇者・イクスキューズはもっと成長してほしい感じ。もともと完成度が高いタイプではあるんだけれど、欲をいえばもうちょっと馬体にゆとりがほしいんだよね。

前走は見事な逃走劇だったショウナンタレント。状態面はいい意味で平行線。3強と対戦経験がないぶん未知の魅力はあるが、モマれるともろいだけに単騎逃げが理想だろう。現状ではそういった条件がつくタイプなだけに、本番ではプラスアルファの部分がほしい。


最後に厩務員養成コースに通っている『ごっちゃん』さんの質問に答えよう。馬は敏感な生き物。その背中で乗り手の思っていることが伝わるんだ。だから、乗り手は強い気持ちで乗らないといけない。いうことを聞いてくれなくなってしまうからね。

まず気持ちから入ることが大事。極端にいえば、「やれるもんならやってみなさい」くらいのね。そうするだけで、だいぶ違ってくると思うよ。

技術面についてもいろいろあるけれど、細かく質問してくれれば、できるだけそれに応じて答えていきたいと思います。今回の『ごっちゃん』さんのような乗り方について以外でももちろんOKなので、みなさんの質問をお待ちしています。

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勝ったのはよかったけれど、まだ物足りない、というのが僕の本音。大阪杯のメイショウサムソン、このメンバーならもう少し離せるかと思った。

それでも収穫は折り合い面。同じ2000mでも、昨年秋の神戸新聞杯とは雲泥の差。あの時は鞍上の「早めに仕掛けよう」という意識ばかりが先にたっていたけれど、今回はゆったり乗れる阪神コースだけあって人馬一体、馬も怒っていなかったんだよね。これなら天皇賞も、という気になる。

2着シャドウゲイトには半馬身差か。この世界は結果がすべてとはいうけれど、やっぱり期待が大きいだけ二冠馬には内容も求めてしまう。もっとできるはず、と思うんだよね。


同じ1番人気でも、こちらは残念な結果になってしまったのがダンスインザモア。7着の理由は、いわずもがなの出遅れだ。練習ではあの癖は出なかったというが、レースで出てしまうんだから仕方がない。対処法とすれば、実戦形式で練習を繰り返すことかな。例えば鞍上が乗ったり…だね。馬は助手と騎手の違いがわかるものだから、助手が乗った練習だとどうしても効き目が薄いんだよ。

勝ったピカレスクコートはもともとの素質が、気性面の成長で開花した印象。前はもっと引っ掛かる癖があったものだけれどね。いやぁ、大人になった。

嬉しかったのは2、3着。コイウタのマサミとマイネルハーティーの隼人だ。

どちらも上手く乗った。マサミの方は4コーナーを回るあたりがポイントだった。前の馬が止まって下がってくるところを、無難におさえようとせずに、むしろ巧みに馬群をぬった。あそこの立ち回りがなければ、2着どころじゃなかったと思う。

隼人は後方からの競馬に徹していた。もう少しペースが速ければ差しきっていたんじゃないかな。11番人気の穴馬をよく3着にもってきた。こちらもファインプレーだったね。

レースうんぬん、馬券うんぬんを超越して、後輩の活躍は素直に嬉しくなる。こんなふうに毎週いい競馬を見せてくれれば、僕も機嫌がよくなるってもんだ。


そうそう、いつもメールをくれる『ごっちゃん』さん。厩務員の研修がはじまったとのこと。質問があればドシドシください。できるだけ答えようと思っています。

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