誰もが荒れる、荒れる……という予感を受けていたと思うんだけれど、まさかこれほどとは、というのが大部分なんじゃないかな。
馬連30800円、そして3連単9739870円(JRA重賞で最高配当)というのだからね。100円で1000万近くかァ、僕もさすがに3連単をとった人の顔が見たくなる。
この大波乱、分析すると考えられる要因は大きく天候とペースのふたつだろう。そこに騎手心理が絡んできての結果だと思う。
まず天候について話すと、降雨の影響はかなりあったはずだ。アサクサキングスの幸四郎も「雨がこたえた」といっていたが、一部の有力馬には厳しいマイナス要素であり、勝ったピンクカメオを筆頭に、シベリアンバードなどの上位入線馬には恵みの雨となった。馬場発表は稍重だが、実際に走った馬は重以上に感じていたんじゃないかな。
そしてペースだが、時計以上に厳しい流れだった。終始ひとかたまりになって泥んこの馬場を進むのだから、もまれるのと道悪とで馬にはかなりの負荷がかかったと思う。内枠の馬のほとんどが下位に敗れたのにも、そこが影響しているはずだ。反対に外枠をひいたムラマサノヨートーに関しては、元来気難しいところがあって、近くに馬がいると嫌がるタイプだけに大外枠も好走の要因だったと思う。
最後に騎手心理。今回はレースのあやが大きく運命を分けて皮肉な結果になった。勝ちにいって最高のレースをしたシンジ(藤田騎手)が負けて、勝ちたい気持ちを殺してベターな競馬をしたウチパク(内田博騎手)が勝ったんだから。
直線で前が壁になった時、ウチパクは腹をくくったと思うんだ。「これはもう、とにかく自分の思うとおりにやってみよう」と。そして、まだ馬に余力があることを感じてピンクカメオを外に出した。あとはままよ、だ。
直線の伸びは鞍上の予想を超えていたんじゃないかな。「まさか勝てるとは…」というレース後の感想からもそれはうかがえる。乗っている当人がそうだから、ローレルゲレイロと一度は先頭に立ったシンジも驚いただろう。ただ、シンジとローレルは僕から見ても完璧なレース運びだった。
完璧に勝っても負けるというのが競馬。天候などさまざまな要素が絡んだ今回のレースは、特にそういう部分を際立たせていたと思う。



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