『keiba02』の取材でユタカ(武豊騎手)と話した時に、印象に残っている言葉がある。「ダービーではみんな『勝ちたい』気持ちが強くなりすぎる。頭のなかが『ダービー仕様』になる」というものだ。
これはジョッキーの心理をうまく表現した言葉だと思う。どんなベテランだってダービーのパドックに出た瞬間は興奮するし、人によってはレースでも硬くなって、普段通りの力が発揮できなくなってしまう。それがダービーの魔力、というのかな。
そんなダービーの魔力にとりつかれなければ、まずいけるだろうと思うのがフサイチホウオーだ。前回も話したように、状態面では皐月賞以上。体つき、トモのバランス、落ち着きとすべてが揃っている。
アンカツ(安藤勝騎手)はここ一番で冷静な騎手。すでに一度勝っている(04年キングカメハメハ)し、ダービーだからって硬くならないはずだ。いや、それでも硬くなるから、魔力なのかな?
次に注目しているのがヒラボクロイヤル。栗東で馬体を見て、いいな、長距離向きだな、って思った。他の馬が色あせるくらいのインパクトがあったね。ただ、綺麗な走りをするタイプだから馬場が渋ると割引が必要だ。
マサミ(松岡騎手)が乗るサンツェッペリンも調子が良さそうだ。今日、厩舎に行って馬を見たんだけれど、いい汗をかいているんだよね。サラッとして、体調がいい時にかく汗。厩務員さんにそのことを話したら、「そうでしょう」って満足そうだった。
追い切りだけなら最も評価しているのがアドマイヤオーラ。抜群の伸びだったね。ただ1点、馬場から引き上げてくる時の動きが硬かったことだけが気になる。
皐月賞馬ヴィクトリーは折り合いがすべて。純粋な能力は上位だから、後はそれをどうやって引き出すか。道中でリラックスさせられるかどうかがポイントだと思う。
最後にもう1頭、堅実なローレルゲレイロの名前も挙げておこう。
ユタカの言葉でもうひとつ。ダービーで一番特別に感じる瞬間は? という問いに、「勝負服を着て、パドックに出た時。よしっ、と気合いが入ります」と答えてくれた。今年はパドックでのユタカにも注目したい。



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