いつもとちょっと趣向を変えて、今回は僕の弟子ふたりにスポットを当ててレースを振り返ってみたい。
まずはヒロ(田中博騎手)。この新潟2歳Sが重賞4度目の挑戦だったんだよね。初めてグレードレースに乗ったのは今年の福島牝馬S。ただ、その時は15番人気(今年の福島牝馬S・マイネルーシッド)で気楽に乗れる感じだった。
それが今回は6番人気の馬(リーベストラウム)。穴馬の1頭として取り上げている専門誌も少なくなかった。それだけに、固くなっているかもしれないと思ってレース前に話をしたんだ。
そうしたらやっぱり、少し力が入りすぎているように感じられた。だから僕は「まずは流れに乗ること。楽しんでくるくらいの気持ちで乗ってこい」ってアドバイスしたんだ。
重賞というのは、他のレースと比べて独特の緊張感がある。実際に馬と馬との間隔も狭く、なかなか自分の思ったように馬を動かせないんだ。それが上位人気馬となれば、なおさらなんだよね。それだけに、時には流れに乗ることすらおぼつかなくなってしまう。
それでもヒロは頑張った。ちゃんと流れに乗ってレースを終えることができたよね。本人は「駄目でした」って残念そうだったけれど、この経験は必ず生きてくるはずだよ。
もうひとり、こちらはかなり惜しかった札幌記念の津村。12番人気のアグネスアークに乗ってクビ差の2着なんだからほめてもいいもんだが、あえて僕は厳しいことを口にした。
「考えすぎるな」とか、「追い出しのタイミングが…」とかね。次に生かしてもらいたいからそうやってバンバン指摘したんだけれど、ホントは評価できる点もあった。
それは道中、すごく巧く流れに乗っていたところ。オッ、と思うほどスムーズにレースを運べていたんだよね。
負けたレースでも、いいところはある。それはヒロや津村だけじゃなくて、他の騎手にもいえるところ。だからといって負けた悔しさがなくなる訳じゃないけれど、そういうところもキチンと見ていってあげたいな、と思っている。たまに口うるさくいってしまうのは、まァ、ご愛敬だ(笑)。



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