最終追い切りでは少し馬体が細く映ったものの、安田記念で発表されたウオッカの馬体重はプラス8キロ。パドックでの周回や返し馬も、勝ったダービーの時と同じようにとても落ち着いていた。正直、追い切りの動きはあまり良く見えなかったんだけど、結果的に精神面を重視した調教パターンがこの馬に合っていたのだろう。やっぱり若くしてGIをいくつも勝っている角居調教師はさすがだね。
レースはそのウオッカに初めて騎乗する岩田が思い切って先行した。これは好判断だったね。すぐに先団のインに潜り込めたことで、ウオッカはそのあと落ち着いて走れていたし、2番手に付けていたアルマダがいい感じに壁になってくれた。もちろん、馬の力に自信を持っているからできることなんだけど、テン乗りのぶん今までの固定観念がないから、こういった思い切りのいい騎乗ができたんだと思う。
そんなウオッカの横から、果敢にハナを奪ったのはコンゴウリキシオーのシンジ(藤田騎手)。あれだけ押して前に出れば、どの騎手も「ハイペースになるだろう」と思って控えようとするだろう。だけど中間の半マイルは46秒2と、思ったほどペースが速くならなかった。これは流れが速くなると見せかけたシンジの上手さ。その結果、直線の坂まで先頭をキープできたわけだし、バテることなく6着に粘る結果にも繋がったね。
でも、コンゴウがどれだけいい競馬をしようと、このペースで絶好の位置にいたウオッカには関係なかった。3、4コーナーもロスなく内側を通っていたし、追い出しのタイミングも残り400mまでシッカリ我慢した完璧なレース運び。一番強い馬に一番流れが向いては、他の馬は手の出しようがなかったと思う。
香港勢の一角、アルマダもスムーズで無駄のないレースをしたけど、決め手の差が出て2着が精一杯。スズカフェニックスもスタートで出負けして、それから慌てて馬群に突っ込んでは厳しかった。この馬たちにとって今回は、展開のアヤというか、流れが向かなかったように感じる。上位3頭がいずれも先行した馬たちだったことからも、それは明らかじゃないかな。
とはいえ、久々のマイル戦で4着にまで追い上げたエアシェイディには驚いた。「気性的に落ち着いてきたからマイルはどうかな」とも思っていたけど、これだけの走りをするんだからね。今ならマイルで差したり、2000mで先行したりと、どんな競馬でもできるといった感じ。後藤も今回の内容を受けて「展開に応じた競馬ができる」と確信したと思う。それだけに次走で一番変わってくるのは、エアシェイディかもしれないね。



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