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坂井千明・プロフィール

坂井千明
元JRA騎手。現在は競馬番組キャスター(ケイバdeブレイク・BSフジなど)を始め新聞・雑誌で幅広く活躍中。また、乗馬学校、JRAイベントなどでの実地の騎乗指導にも力を入れている。

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坂井千明のコースの達人
元馬場委員長としてJRA全競馬場の改修に携わり培った知識が凝縮したコース本の決定版です。

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昨日、今日はここ最近の暑さと比べると、だいぶ過ごしやすくなってきているんじゃないかな。僕は現役時代から、あまり冷房とかに頼らないエコ(?)な生活をしているから、特にそんなような感じがしたね。みんなも夏風邪とかをひかないように、健康的な生活をしてください(笑)。

今日もこのブログを読んでくれているファンの方からの質問に答えようと思う。なんか最近の木曜の日記は常にこんな感じになっちゃってるけど、いろいろと競馬の知識を知ってもらって、よりいっそう競馬を好きになってもらいたいから、とりあえずはこのスタイルでやらせてもらうよ。

さて、今回の質問は「調整ルームってどんなところなんですか?」という質問について。

これはよく聞かれる質問だね。まず、調整ルームっていうのは、外部の人との接触を避けるためにレース前日に入る、いわば寮のようなところ。最初の頃は、前日の正午までに入らないといけなくて、金曜日に調教をつけてから競馬場に移動とかなり忙しかったんだ。だけど、そういう事情が見直されて16時に変更になって、今では18時までに入るのが決まりになっている。

泊まる部屋は競馬場によってさまざまだけど、広さはだいたい4畳半くらいだったかな。僕が現役だった最後の頃は改装された福島が一番キレイだったから、まぁ居心地が良かったね。だいたいの騎手は調整ルームに入る時間になると、もう騎乗馬のチェックは済ませていて、麻雀をしたりマッサージを受けたりとリラックスしている。あとはレースに乗れる体重にもっていくのに、汗とりしている騎手が多いね。

また、調整ルームの風呂っていうのが、汗とりのために特殊にできていて、風呂全体が「蒸しサウナ」っていう感じ。主に汗をとるところは床(スノコ)の下に、熱湯が張ってあり部屋中がとても熱くて、せいろ状態とでもいうのかな(騎手はシュウマイや中華まんではありません、笑)。言葉では説明しづらいんだけど、そんな感じにできている。蒸気があるぶん、ノドが乾かないようにもできているんだよね。みんながイメージするような一般のサウナとかとは全く違うよ。

まぁ、そうやってレースに乗る体をつくって、次の日のレースに備えるところが調整ルーム。減量で苦労している騎手もいるから、パドックや馬場に出てきたときに、あまりヤジとかはいわないであげてね(笑)。

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2008年7月28日

先週の函館記念はトーセンキャプテンが1年5ヶ月ぶりの勝利。スタートこそあまり良くなかったものの、すぐにインコースに潜り込むとコーナーワークで先団との差を詰めて、ピッタリ2000mを走ったんじゃないかというほど、ロスのない競馬ができていた。

最後の直線は最内の狭いところを突いたけど、これも前半シッカリと内々で我慢できていたぶん、一瞬の脚で交わすことができたんだと思う。向こう正面でも馬を怒らせないで徐々に進出できていたし、教科書通りの騎乗とは、このようなことを言うのかもしれないね。

2着のフィールドベアーと3着のマンハッタンスカイは、好位から勝機を窺う自分の競馬。この2頭もソツなく立ち回ってはいるんだけど、今回はさらに上手く乗ったトーセンキャプテンがいた。フィールドベアーの場合は結果2着だったとはいえ、ジリジリと最後まで差を詰めていたから、先に繋がるレースはできていたように感じる。

4連覇を狙ったエリモハリアーは、あのペースであの位置取りだと苦しかったかな。でも、最後はよく追い込んできているし、上がりの3ハロンもメンバー最速。函館の気候や条件がこの馬に合うのだろうけど、ここまでシッカリと仕上げたスタッフには頭が下がるね。4年連続で同じレースに使うだけでもすごいことだし、今回のチャレンジはホントに素晴らしかったと思う。

前走で巴賞を勝っているマヤノライジンは5着。これはシンジ(藤田伸二騎手)の上手さがアダになったように感じる。というのはこの馬は掛かりやすくて、ゲートをそーっと出さなければならない。それをシンジが上手くなだめて乗っていたんだけど、そのぶん馬が行く気をなくしたというか、そんな印象を僕は受けたね。でもまぁ、もともと2000mという距離はこの馬にとって少し長いし、それを考えれば頑張ったと思うよ。

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水曜、木曜と函館記念に出走する全馬の調教を見たけど、どの馬も仕上がりは良さそうだね。これだけ暑くなると競走馬の体調管理はとても難しいんだけど、どの厩舎もキッチリと仕事したことがわかる。この暑さのなか、本当にお疲れ様といいたい。それじゃあ早速、僕が良く見えた馬を中心に話をしていこう。

前走の巴賞でクビ差の3着に敗れたピサノパテックはすごく調子が良さそうだ。前回は揉まれる辛い競馬だったけど、我慢して最後までシッカリと伸びてきていた。精神面での成長が窺えるし、スムーズにいけば今回は面白いと思うよ。

巴賞で1着同着だったフィールドベアーマヤノライジンはともに順調にきているね。特にフィールドベアーの追い切りは良く見えた。終い重点だったけど素軽い動きで、中1週でこの内容なら十分じゃないかな。

4連覇という記録がかかっているエリモハリアーも明らかに調子を上げているように見えた。この馬は本当に函館が合っているんだね。追い切りでも今回はモタれるところがなかったし、時計的にもなかなか。4年連続このレースに使えるということだけでも、大したものだと思うよ。

レース展開だけど、比較的落ち着いた流れになるんじゃないかな。スタート次第ではあるけど、メイショウレガーロマンハッタンスカイあたりがハナを切りそうだね。ミストラルクルーズピサノパテック、フィールドベアーあたりの有力どころがそれを追走する形。ペースを考えると勝負のポイントは3コーナーに入るまでの動き方になるだろうね。向こう正面で馬を怒らせないで加速していき、前の馬との差を詰めることが重要になってくると思う。3コーナーに入ってから動いたら、外々を回らされて相当のロスになるし、乗り役が向こう正面でどのように動くかを注意して見ると、さらに面白くレースが見られるんじゃないかな。

一番最初にいったように今回はどの馬も仕上がりが良さそうだし、チャンスがある馬がとても多い。でも、この暑さだし体調が急変することも十分に考えられるので、当日のパドックを入念にチェックしてほしい。

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2008年7月24日

いやぁ~、ここ最近はとろけるような暑さが続くね。昨日は朝でも28度くらいあったかな。ホントに暑くてまいっちゃうよ(笑)。これだけ暑いと夏負けしている馬も多いだろうから、パドックはこれまで以上にチェックした方がいいかもしれないね。

そんななか今週は、サマー2000シリーズ2戦目の函館記念がある。だけど、今日はそれに出走する各馬の追い切りについてではなく、このブログを見てくれている方からの質問に答えることにしようと思う。それで送られてきた内容は「馬の好不調が返し馬の最初の3完歩で分かるのはなぜか?」ということについて。

これは僕がテレビで「最初の3完歩でわかる」って言ってたらしい(笑)。まぁ、これを言葉で表現するのはかなり難しいんだけど、キャンターの出だしは結構重要なんだよね。何というか、1歩目はトモも蹴り方だったり、地面へのつき方を見る。それで2歩目、3歩目は前脚の出方を見るんだ。ここで動きがカタい馬っていうのは、ちょっと割り引く必要があるかもね。なめらかというか、キャンターへの入り方がスムーズな馬は良いと僕は思う。

それと、返し馬はパドックとのセットだと思ってほしい。いくらキャンターへの入り方がスムーズでも、重めに見えたら仕方がないし、イレ込んでいても力を発揮できないからね。ただ、返し馬の動きがカタい馬でも1200mとか短距離だったら対応できる場合もあるから、これは気をつけてほしいね。

パドックの見方については前にも話したことがあると思うんだけど、まずは全体的な雰囲気が重要。馬を見慣れていない人でも、パッと見ていいなと思えば、その馬の状態が良いというケースは多いよ。あとは馬体重という数字に騙されないで、太く見えるか、スッキリ見えるかも重要。騎手が跨ったあとの気配も注意して見た方がいいね。

でも、競馬場にいるとパドックをジックリ見て、返し馬も見るのは時間的に厳しいよね。それにテレビだと、返し馬の映像が映っても、キャンターへの入り方が映らない場合が多い。だから、一番見ておいた方がいいのは、パドックからゲート前までの気配の変わり方かな。パドックでは落ち着いていて、ゲート前の周回ではハミを噛んで気合いが入っているような馬は理想。逆にパドックではイレ込んでいるのに、ゲート前ではシュンとしている馬は危ないかもしれないね。

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2008年7月21日

今や夏競馬の風物詩ともいえるアイビスサマーダッシュ。これを制したのは、2番人気に推されていたカノヤザクラだった。

ここ数戦は出遅れが目立っていたが、今回は大外枠のためゲート内で待たされなかったから、出遅れることなく何とか速い先行集団に食らいついていくことができたね。あとは、直線コースで進路がシッカリと確保されていたのも、テンでスムーズに加速できた要因だと思う。

ただ、この馬は最初の1歩目2歩目の跳びが大きく、短距離馬のスタートとはいえない。今回は直線コースだから良かったけど、後ろから競馬をするこの馬の場合、前に馬が殺到すると自分の競馬ができなくなる恐れがある。1000mのレースを勝ったとはいっても、馬の特徴的にベストは1400mくらいなんじゃないかな。

とはいえ、カノヤザクラの鞍上・小牧はマルブツイースターがバテて開いたスペースに絶好のタイミングで突っ込んだ。流れが速いレースだと、どうしても判断を焦ってしまいがちになるんだけど、そんななかでも冷静な騎乗ができていたのは素晴らしかったね。

2着に突っ込んだのは、ウチパク(内田博騎手)のシンボリグラン。この馬はもともと持っている能力が高い馬だし、ブリンカーを付けた効果が出たんだと思う。調教でも集中力のある走りをしていたから、それをレースでも発揮できた。10番人気と評価は低かったんだけど、この結果は順当だろう。

このレースで「上手く乗ったな」と目に付いたのは、3着に入った勝浦(アポロドルチェ)。これまでテンの遅い競馬をしていたから、正直1000mのペースについて行けるか心配だったが、前半に上手く我慢させて馬の力を存分に発揮させた。カノヤザクラの小牧も判断が冴えていたけど、乗り方としては勝浦の方が上手かったね。次に繋がるレースができたと思う。

クーヴェルチュールは内枠から好スタートを切ると、すぐに外に馬を持ち出した。開幕週の馬場だからどこを通っても同じだと思うだけど、人気馬が外枠に集中していたから、それを牽制しに行ったのかもしれない。でもまぁ、結果的にその外へ持ち出したのがロスになってしまったように見えたね。

1番人気で16着に惨敗したエイムアットビップは、調教でもこれといって良く見えなかったし、2歳時に見せていた行きっぷりの良さがないね。1600mを使ったあとの1000mは厳しかったという見方もあるけど、成長している部分が少ないというか「早熟なのかもしれない」とも思う。とにかく復活を願って、もう一度あの抜群のスピードを見てみたいものだね。

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今週の重賞は日曜日に行われるアイビスサマーダッシュのみ。少し寂しい気もするけど、直線のみで行われる極限のスピード勝負は見応え十分だよね。今年は数年前にこのレースを快勝したカルストンライトオみたいな抜けた存在がいないから、調子の良し悪しが勝負のポイント。まさに「夏場は格より調子」っていう感じになるんじゃないかな。それじゃあ早速、僕が特に気になった馬を中心に話をしていこうか。

前走のCBC賞で5着に入ったカノヤザクラは追い切りでとても素軽い動きを見せていたね。平均的に速い時計をマークしているし、調子はさらに上向いているんじゃないかな。ここ2走は出遅れが響いて負けてはいるけど、今回は大外枠の18番。最後のゲート入りになるし、スタートで後手を踏むことはないだろう。すんなり出れば十分に勝ち負けが狙えるんじゃないかな。

9カ月ぶりの実戦となるクーヴェルチュールはケイコの動きが抜群に良かったよ。追われてからの反応が鋭かったし、4ハロン50秒1の時計はなかなかのモノだと思う。この馬の強味は好位置にスッと付けられて、それでいて終いの脚もシッカリしている。軸馬としてはとても面白い存在だね。

とにかく、このレースはスタートが問題で、出遅れは致命傷。前半2ハロンを22秒台ぐらいで行って、上がり3ハロンを32秒台で上がれれば勝ち負けになる。そういうペースで行けそうな馬が優位にレースを進められるんじゃないかな。1000mだからといってバリバリ行くと、とても最後まではもたない。スタート次第ではあるけど、前に行きそうなサープラスシンガーエムオーウイナー、あたりは3ハロン目でうまくペースを落とせれば、チャンスは出てくるんじゃないかな。スパインも前に行くと思うけど、この馬は揉まれないことが好走の条件。逆にスンナリ気持ちよく行ければ、前々走のように強い競馬ができるかもしれないね。

あと僕が気になったのは前回のレースで大外を回って強い勝ち方をしたアポロドルチェ。初の1000mで道中のペースについていけるかがポイントになると思うけど、最後の脚はシッカリしているので好走も十分にありえると思うよ。ブリンカーを装着するシンボリグランも能力的にはヒケをとらないと思うけど、この馬に関しては、当日のパドックでイレ込んでいないかシッカリとチェックした方が良さそうだね。

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昨日は今週から開催が始まる新潟競馬場に行ってきた。先週の福島も1年ぶりに行ったんだけど、今回の新潟もほぼ1年ぶり。ここでも馬場に入っていろいろ視察したりと、とても充実した時間を過ごしたよ。新潟の夏はよく暑いっていうけど、昨日はそんなに日差しが照りつけるような天気じゃなかったから、比較的過ごしやすかったのも良かったね。

でも、今回視察したアイビスサマーダッシュが行われる新潟の直線コースは1000mもある。レースだとだいたい55秒で馬は駆け抜けるんだけど、実際に人間が歩くと20分くらいかかるから、かなり疲れたね。今回はテレビ(ケイバdeブレイク)の収録だから歩いたけど、もう歩きたくないと思っちゃったよ(笑)。

まぁ、実際に歩いて感じたのは、よく整備された素晴らしい馬場っていうことだね。まだ競馬が始まっていないから、当たり前といえば当たり前なんだけど、係の方の懸命な管理によってこのような馬場があることを忘れてほしくない。僕は現役の時に関東騎手会の馬場委員長を務めたけど、芝の管理がどれほど大変かを味わったことがあるだけに、ホント強くそう思う。


さて、ここからは久しぶりになったけど、皆さんからの質問に答えます。「障害馬って、普段はどんなところで、どんな障害の調教ってやっているのですか?」という"かめさん"の質問について。

障害馬といっても、平地のレースを使う馬と同じ調教している馬もいるし、障害飛越の練習をする馬もいるよ。美浦の場合だと、障害馬は北馬場のAコースで調教するから、ポリトラックやウッドチップ、坂路がある南馬場と違ってマスコミに取り上げられることが少ないんだよね。それが障害馬の調教を見たことがない理由なんじゃないかな。ちなみに、障害馬になるための試験も北馬場でやってるよ。

余談になるけど、障害馬になるためには、まず丸太を横に寝かせて、それをまたぐことから教える。でも、これはトレセンではなく牧場でだいたい教えているんだ。そして慣れたら、徐々に棒の高さを上げていって飛越といった風に訓練していく。これは数ヶ月もかかる地道な訓練。障害は人馬の呼吸が合わないと飛べないから、調教では助手が乗るのではなく、実際に障害騎手を乗せて調教することが多いんだ。だから障害では、騎手が調教で乗ってレースでも乗るという昔ながらのスタイルが残っているんだよね。

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サマー2000シリーズの開幕戦・七夕賞を制したのは7番人気のミヤビランベリ。テン乗りだったんだけど、ユタカ(吉田豊騎手)がこの馬の特徴をよく把握して、単騎のマイペースで逃げられたことが何よりの勝因だと思う。軽量だったし思い切った競馬が功を奏したね。

この馬の戦歴を見れば、逃げることはレース前から明らかではあったんだけど、他の騎手はミヤビランベリを甘く見ていたのか、突っ掛けることもなく単騎で簡単に逃がしてしまった。勝負どころまでホントにスムーズだったし、1000m通過は約1分くらいのスローな流れ。これではスンナリ逃げ切られてしまっても仕方がない。

1番人気に推されていたカネトシツヨシオーは、後方を追走してよく追い込むも6着。この馬の場合は末脚勝負に徹することしかできないから、今回は展開が向かなかったとしか言いようがないね。ペースがペースだったから、4コーナーで馬が殺到して一番大外を回されたのも痛かった。

マイネツキッツは3着と頑張ったものの、勝負所でモタついた走り。急激にペースが速くなったということもあるんだけど、後藤が懸命に追っているのに3、4コーナーでは明らかに手応えが悪かった。たぶんこの馬は、カーブのキツい小回りコースは苦手なんだろう。前走や前々走の東京で見せていた走りとは大きく違っていたからね。

好位で競馬をした隼人(吉田隼人騎手)のキャプテンベガは、道中ずっとムキになって走っていた。引っ掛かっているなら、馬の気持ちを優先させて行かせてしまっても良かったと思う。だけどこの馬は、まだ能力と精神面が噛み合っていないようなフワフワとした走りをしているから、5歳とはいえこれからの馬だと思うよ。

プロキオンSの方もスローな流れで、3、4番手でシッカリと折り合っていたヴァンクルタテヤマが好位抜け出しで勝利。断然人気のワイルドワンダーだけど、この馬は一瞬の切れを身上とする馬だから、自分から動いてマクるという競馬ができない。今回は展開的にその弱みが出てしまった感じがする。

とはいえ、34秒台の末脚で追い込んできているように、やはり力はGI級。展開不向きでも2着を確保しているように、今後も期待できる走りだった。だから負けたとはいっても、気にする必要はないんじゃないかな。

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今週のプロキオンSには、フェブラリーS、かしわ記念とGIで連続3着のワイルドワンダーが出走する。マイルではあと一歩のレースが続いていたけど、今回の1400mという距離は、行きたがる面があるこの馬にとってはベスト。ここまでの調整もかなり順調にきているようだし、期待したいところだね。

でも、そんなワイルドよりさらに動きが良く見えたのがリミットレスビッド。追い切りのタイムは、終い重点で目立つものじゃないんだけど、手綱を放した時の反応が鋭く素晴らしかった。この反応を見ると、夏場でも体調は良さそうだし、9歳という年齢的な衰えは全く感じない。去年2着に来ているように、リミットにとっても1400mはちょうどいいから、十分に力を発揮してくれると思うよ。

ワイルドワンダーと同じ久保田厩舎のラインドライブも良い調教内容だったね。6ハロンから意欲的に追われて、シャープな動きが際立っていた。少し出世に時間がかかったけど、もともと持っている能力は高い馬。今回は昇級戦とはいえ、このデキなら十分にやれそうな感じがしたね。

この他で良かったのは、マイネルレーニアヴァンクルタテヤマ。レーニアの場合はここのところ調子が良いし、この距離はピッタリ。だから、あとはダートの問題だけなんじゃないかな。それさえクリアすれば、ここでも好勝負しておかしくないと思う。

今週行われるもうひとつの重賞・七夕賞は、サマー2000シリーズの開幕戦。そういうことで、舞台に似合ったいいメンバーが揃ったけど、ここはハンデ戦である上に、最終週の荒れた馬場が各馬にどのように影響するかが非常に読みづらいところ。

調教の動きとしては、マイネルキッツカネトシツヨシオーダブルティンパニートウショウヴォイスグラスボンバーキャプテンベガの6頭が良く見えた。果たしてどうなるか、注目したいね。

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2008年7月10日

今週は炎天下の中、西に東に動き回ってとても大変だったよ。月曜日には僕が出演している番組「ケイバdeブレイク!」の撮影で広島県の福山競馬場に行ったんだけど、東京から新幹線で約4時間。ジッとしていられない僕にとってはかなり厳しかったね(笑)。

福山競馬場に着くと共演している嶋大輔さんと一緒にパドックへ。8頭立てのレースで2頭よく見えた馬がいたんだけど、その馬がズバリ1着、2着。僕としては調子が良さそうに見えた馬が上位に来るのは当然なんだけど、嶋さんはビックリしていたね(笑)。「軸馬の千明」って嶋さんに名付けられて現場は大いに盛り上がり、「地方競馬もいいもんだなぁ」って感じたよ。

そして、昨日は約1年ぶりに福島競馬場に行って来た。競馬場に行く前に10年以上の付き合いがある友人がやっている中華料理店でランチをご馳走になった。エビチリ、チンジャオロース、シュウマイ、どれも旨いんだけど、僕のオススメは麻婆豆腐。ピリッとした辛さ加減が絶妙で、福島に来ると必ず食べて帰るようにしているんだ。石林(シーリン)っていうお店なんだけど、福島に来ることがあったらみんなも行ってみるといいよ。

さて、最終週を迎える福島競馬場の芝コースを歩いたんだけど、内馬場は荒れているように見えた。前回も書いたと思うけど、芝の根はシッカリと根付いているので、この馬場が競馬に大きく影響することはなさそう。内にコースを取った馬が全く伸びないということはないはずで、最終週までシッカリと馬場を管理された職員さん達には本当に頭が下がるね。

福島競馬場を出た後は近くのスーパーへ。実はウチの奥さんから、さくらんぼを買ってくるように頼まれていたんだ。お気に入りの「佐藤錦」という品種のを買って帰ったんだけど、時期が少し遅かったみたい。お気に入りの「佐藤錦」を食べらながら、ウチの奥さんは首を傾げていたよ(泣)。

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2008年7月 7日

先週の福島は、見た目には馬場が荒れているように見えたかもしれないけど、内側を通った馬がジリジリと伸びているようにそんなに悪くはなかった。これは芝がハゲていたものの、根っこがシッカリと地面に根付いていたぶん、ボコボコにならなかったからだと思う。福島の馬場は僕が現役だった頃より、だいぶ管理されているね。

そんななか行われたラジオNIKKEI賞は、直前にかなり激しい雷雨。一時はどうなるかと思ったけど、レース発走時刻にはピタッと収まったから、馬場にはそんなに影響はなかったんじゃないかな。勝ったレオマイスターも雷雨で雑音に慣れたのか、レース前は非常に落ち着いていたように見えた。

レースは果敢にルールプロスパーが逃げるも、向こう正面ではペースが落ち着いて、1000m通過がほぼ1分という遅い流れ。普通ならそのままズルズルと行ってしまいそうな展開なんだけど、レオマイスターはペースが落ちた3コーナーで動き出すと、そのまま4コーナーもマクり気味に外から脚を伸ばし、粘るノットアローンを交わして勝った。

53キロという軽量もあったにせよ、今回はこの流れを読み切って動いたウチパク(内田博騎手)の好騎乗。最初は流れに乗せて、あとは上がり5ハロンだけの競馬に徹した好判断だ。もし、あのまま動けずにいたら前の馬に楽に逃げ切られたかもしれない。この臨機応変に乗れるところはやっぱりさすがだね。

直線で粘ったノットアローンも、道中2番手で掛かりながらも力は出し切った。早めに抜け出したことで最後差されてしまったけど、勝った馬と同じ斤量ならどうなっていたかわからない。この馬もよく頑張っていたと思う。今回は負けたけど、展開や条件次第で逆転は可能だろう。


函館スプリントSは、キンシャサノキセキが着差以上の勝利。この距離でも掛かるくらいだから、今回の相手ではスピードの差が歴然としていたと思う。追い切りはあまり良く見えなかったけど、一度レースを使ったことで精神面だったり、息の遣いもさらに良くなるだろうから、この先もかなり期待できそうだね。

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今週からいよいよサマーシリーズが開幕。函館ではサマースプリントシリーズの第1戦・函館スプリントSが行われるけど、賞金の他にシリーズ総合優勝馬にはボーナスが出るということもあってか、キッチリと仕上げてくる陣営もたくさんいるようだね。じゃあ、さっそく函館スプリントSの有力馬の話をしていこうか。

高松宮記念で惜しくも2着に敗れたキンシャサノキセキは、実績的にも人気を集めることになると思うけど、追い切りの内容に関しては少し不満。函館のダートコースで半マイルを強めに追われて、時計もそこそこ出ているし、終いの脚はシッカリと伸びていたけど、半マイルしか追われていないからね...。能力が高い馬というのは認めるけど、今回のキンシャサは僕にはあまりよく見えなかった。

前走のCBC賞で渋太く逃げ粘り、4着に入ったウエスタンビーナスは面白いんじゃないかな。前走は外にモタれていたけど、右回りの今回はその心配もなさそうだし、単騎で逃げられれば勝算あると思う。追い切りでもスムーズに折り合っていたし、動きも良く見えた。前々走のような鮮やかな逃げ切りがあっても不思議ではない。

2歳チャンピオンのゴスホークケンは動きが一変したね。終いの切れが抜群に良かったし、調子はかなり上向いてるんじゃないかな。いい頃のカリカリした面も出てきたようだしね。1200mなら前走のNHKマイルCで見せたスタートダッシュは活きてくると思うし、4キロ減って53キロになるのも大きな魅力だね。怖がりなところがある馬だから、馬込みをさけてすんなり先手が取れれば、3歳馬だけど十分にチャンスはあるんじゃないかな。

他にもスピニングノアールトウショウカレッジミリオンウェーブなどは動きが良く見えたし、調子は良さそうだね。十分に好勝負を演じられると思うよ。

福島のラジオNIKKEI賞は500万下、1000万下と2連勝中のタケショウオージが特に良く見えた。素質があって早くから期待されていた馬だったんだけど、気性がネックになって低迷。でも最近はだいぶ素直になってきたと感じるし、それが結果にも結びついている。初の重賞レースになるけど、能力的には十分に足りるだろうし、自分の力さえ出し切れば勝算はあると思うよ。

その他に動きが良く見えた馬は、ダイバーシティプロヴィナージュサブジェクトモンテクリスエスかな。軽ハンデのプロヴィナージュなんかは馬券的にも狙い目かもね。ダートでしか実績がない馬だけど、軽視はできない。日曜の福島は天候が崩れるみたいだし、当日どのような馬場状態かは入念にチェックした方が良さそう。

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いろいろなことがあったけど、先週で上半期の競馬が終了。時間が経つのはホントに早いもんだね。振り返ってみると、3歳馬はここでも何回か書いているように、抜けた馬が不在で混戦模様だった。牡馬路線では、ディープスカイが結果的にNHKマイルCとダービーを勝ったとはいえ、全体的には物足りないというか、もうちょっとレベルの高いを見たかったというのが本音ではある。

それでもディープスカイは、1600mを使ったあとに2400mのダービーを勝つという快挙を成し遂げた。馬が成長して強くなってきたのが勝因ではあるんだけど、四位が馬を尊重した丁寧な競馬をさせていたことも、今考えてみると大きいと思う。普通ならダービーという大舞台で人気になって、あのような思い切った競馬はなかなかできない。もともとあたりの柔らかさやセンスがあった騎手だけど、今年は乗り役としてひと皮むけた印象を受けるね。四位じゃなければディープスカイは、ここまでの成績を収めることができなかったかもしれない。

あと印象に残っているのは、ヴァーミリアンが勝ったフェブラリーSだね。「これぞ王者の走り」という内容で国内敵なしというところを見せてくれた。この馬は昨年のJBCクラシックを勝ったあたりから馬体を大きく見せるようになってきて、レースぶりが非常に安定してきた。それだけにドバイでの走りが不可解というか...。あれだけ行きっぷりの良かったヴァーミリアンに、ユタカ(武豊騎手)が肩ムチを入れても動かないというのは初めて見たし、よっぽど体調的なものが悪かったんだろうね。でも休んでリフレッシュしたら、また国内で強さを発揮してくれると思うよ。

先週の宝塚記念もグランプリだから取り上げないわけにはいかないよね(笑)。このレースは頭数が少なかったけど、それなりのメンバーが揃ったしとても見応えがあった。メイショウサムソンは昨年の天皇賞(秋)以来勝っていないものの、GIで2戦続けて2着と本領を発揮。今後が楽しみだと思わせる内容だった。やっぱり競馬はスターホースがいないと盛り上がらないから、ぜひサムソンには頑張ってもらいたいね。まぁ、こんなところかな。

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