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坂井千明・プロフィール

坂井千明
元JRA騎手。現在は競馬番組キャスター(ウハウハ競馬・テレビ埼玉など)を始め新聞・雑誌で幅広く活躍中。また、乗馬学校、JRAイベントなどでの実地の騎乗指導にも力を入れている。

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坂井千明のコースの達人
元馬場委員長としてJRA全競馬場の改修に携わり培った知識が凝縮したコース本の決定版です。


ファイナルチーム
坂井千明・伊藤友康を筆頭とした最高の人材が、「真の関係者情報」を公開します。

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メイン

昨日のNHKマイルCはディープスカイの圧勝。内側の馬場が荒れていたこともあって、馬場の2分~3分のところに馬が密集した流れだったけど、そのなかでもディープはちゃんと折り合って落ち着いたレース運びをしていた。

この馬は未勝利を突破するのに6戦も要しているけど、勝ち上がったあとは差しの競馬もだいぶ板についてきた。前走の毎日杯の勝ちっぷりはとても良かったし、馬が1戦ごとに競馬を覚えてきている。馬の仕草を見ていると気性的に子供っぽいところもあるけど、そのぶんまだ成長が見込めると思うからこの先がかなり楽しみな馬だね。

前走の皐月賞は6着に敗れたものの「跳びが大きいからコーナーが緩やかな東京コースなら見直せる」と感じていたブラックシェルが2着に入った。スタートから後藤がガッチリ抑えて、持ち前の渋太さを活かす良いレース内容。最後は勝った馬の瞬発力に負けた部分はあるけど、早めに抜け出すというベストの競馬をして負けたのだから仕方がない。今回はホントによく頑張っていたし、次回以降も期待していいと思う。

ブラックシェルについてはレース前、前脚を投げ出して走るような走り方で、馬場に脚をとられて滑ってしまうことも危惧したけど、それ以上にこの馬にとって立ち回りやすい東京に替り、走りやすくなったという部分が大きかったんだと思う。馬体重が520キロ以上もあるかなり大きな馬だからね。結果論になってしまうけれども、父クロフネというパワーのある血統面も味方したんじゃないかな。

あと、期待していた2歳チャンピオンのゴスホークケンは、好調時の行きっぷりの良さがないように感じた。今回は馬場が合わなかったのかもしれないけど、能力のある馬だからこのまま終わる馬ではないと思っている。

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GI初挑戦だったアドマイヤジュピタの優勝で終わった天皇賞。そのジュピタは腰を低くしている時にゲートが開いて少し出遅れてしまったんだけど、前半は少しペースが速かったから、むしろゴチャつかないところでいい感じに抑えることができたんじゃないかと思う。

レースはまず、スタートでホクトスルタンが好スタートを切ると、そのまま先頭に立って主導権を握った。他にも前に行きたい馬はいたのだろうけど、そこはノリ(横山典騎手)が平均よりも少し速めの絶妙なペースで逃げたこともあって、他の騎手も行くに行けない状態だった。

そしてノリは、1回目のスタンドを通過し終えたところの1コーナーでペースダウン。ここで馬群を引きつけると、また3コーナーを過ぎたあたりから再び加速して、後続の馬に脚を使わせようとしていた。ここまでは完全にノリの思惑通りの流れになっていたんじゃないかな。

だけど残り800mくらいで、アサクサキングスが予想以上に早めに動いた。こうなると、もう少し楽に行きたかったホクトスルタンは厳しくなってくる。他馬もアサクサについていこうと一斉に動き出して、雪崩のようにアサクサ、サムソン、ジュピタが外から襲いかかった。

直線はもうこの4頭の戦いで、そのなかでサムソンを見ながら一番最後に仕掛けたジュピタが鋭く抜け出して1着でゴール。岩田にしてみれば、道中や流れが一気に動いた勝負どころで、ユタカ(武豊騎手)という絶好のペースメーカーが前にいたのが良かった。

瞬発力勝負になればサムソンよりもジュピタに分があるのは仕方がないけど、サムソンはシッカリと最後まで食らい付いていた。あの根性と渋太さはこの馬の真骨頂。昨年あれだけ強かったサムソンがそういう強さを見せてくれたことは素直に嬉しかったね。これは見事に復活したと見ていいだろう。

ともあれ、アサクサが動いた時の騎手同士の駆け引きはとても見応えがあった。この上位4頭はあの勝負どころでの動き方次第で結果も変わっていたと思う。それくらいあの4コーナーは重要だったと思うし、改めて騎手の判断の差が勝敗を分けることを思い知らされたね。

今回の天皇賞はこれぞGIという、良いレースを見させてもらってホントに満足しているよ。

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フローラSを勝ったレッドアゲートは、ホントにソツのない競馬を見せたね。やっぱり前走のフラワーCは明らかに脚を余した内容だったから、直線の長い東京は合っていたんだろう。今回は脚を余すことなく走っていたし、ウチパク(内田博騎手)もペースが遅いのを見計らっていい位置に付けていた。意外な感じもするけど、ウチパクはこれが中央移籍後重賞初制覇。本人に会って直接「おめでとう」と伝えたいね。

2着に粘り込んだのはカレイジャスミン。状態は良かったし、道中も気分良く走っていたね。直線に入ってからの追い出しもギリギリのところまで我慢できていたから、最後まで脚を持たせることができたと思うよ。

キュートエンブレムはマサミ(松岡騎手)が内側に潜り込ませてロスのないレース。14番枠はこのコースでは不利なんだけど、それを上手くカバーできていたね。最初のコーナーで掛かっていたものの、向こう正面に入ってからは落ち着かせていたから、いい騎乗だったと言えるんじゃないかな。

展開に関係なく自分のレースをしたのが4着に入ったメイショウベルーガ。道中は最後方で直線だけの競馬に徹していたね。その競馬がハマってメンバー最速の上がりで好走できたんだと思う。シングライクバードはモロに外枠の影響を受けてしまった感じ。この馬は終始外を通って、他の馬よりも長い距離を走りながら掲示板を確保したのだから、能力の高さは十分に見せた。

ユキチャンもコースロスが響いたね。ジリ脚だから展開が向かなかったというのもあるけれど、もう少し内を通って我慢できていれば、もう少し上の着順はあったと思うよ。白毛ということで人気先行のイメージがあるが、抜かれたあともシッカリ走っていたし、思った以上にユキチャンは強いかもしれないね。

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2008年4月21日

最終追い切りを坂路で行い、抜群の動きを見せていたキャプテントゥーレが皐月賞を制覇。マイナス18キロではあったけれども、みっちり稽古をこなしての馬体減だったから、それを感じさせないスッキリとした体に仕上がっていたね。

馬体重という数字に騙されそうなところだけど、同じように大幅な馬体減のフサイチアソート(マイナス16キロ)とはデキが全く違うように見えたから、僕の眼もまだ錆び付いちゃいないなと再確認できたよ(笑)。

レースの方はまずスタートで、川田がハナに行くようなゲートの出し方。そして思い切って先頭に立つと、向こう正面で上手くペースを落として、単騎で逃げられる絶好のカタチをつくった。中間の1000mは61秒4だったし、ホントにこれは最高の逃げだと思う。この前半の貯金に加えて具合の良さもあったから、最後まで乱れのないフォームで走り切ることができたんじゃないかな。とにかく今回は状態が際立っていたよ。

渋太く伸びて2着を確保したタケミカヅチは、ヨシトミ(柴田善臣騎手)が1枠を上手く利用した好騎乗。スタートからゴールまでずっと内側でジッとして、ロスなくコーナーを回っていたから、これだけの結果に繋がったんだと思う。また、前回のレースで木幡がテンから馬を怒らせるような乗り方をしていたのも、今回の反応と伸びの鋭さに繋がったように感じるね。

マイネルチャールズは3、4コーナーの勝負どころでゴーサインを出した時に、思ったほど手応えがなかったように見えた。折り合いもちゃんとついていたから、これは馬場の影響かもしれないね。ともあれ、ダービーを意識する競馬はできていたし、馬体もマイナス2キロとはいえ大きく見せていたから、皐月賞後の中間も順調に持って行ければ、次も期待できると思う。

もっとゆったり回れるコースがいいな、と感じたのはブラックシェル。跳びが大きい馬だから、ちょっと走りづらそうにしているのが気になった。それに追い出してからジリジリするところもあるから、長くいい脚を使える東京とか、阪神・京都の外回りの方が合っているかもしれないね。

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2008年4月14日

12番人気のレジネッタが勝ち、15番人気のエフティマイアが2着に突っ込むという、まさかの結果となった桜花賞。今思えば土曜日のポルトフィーノの出走取消が、波乱の予兆を示していたのかもしれないね。

もともと阪神の外回りコースはスローに流れる傾向がある。それに加えてこのポルトフィーノの出走取消があって、騎手たちは「前に行けば残れるかもしれない」と思ったんじゃないかな。だから前半の800mが46秒4と速くなったんだと僕は見ている。

道中はその速い先行集団と控えた後方集団が真っ二つに分かれる展開。ペースが速かったわけだから、後者の方が有利な流れではあった。でも、トールポピーはマイナス10キロと本来のデキには見えなかったし、オディールも勝負どころで先行集団を追いかけるのに脚を使わされて、直線は伸びを欠いてしまったように感じた。また、リトルアマポーラも34秒3とメンバー最速の上がりで猛追したとはいえ、あれだけ4コーナーで外に回しては厳しかったみたいだね。

そんななか、自分の競馬に徹することができたのがレジネッタ。この馬はパドックでかなり落ち着いていたし、踏み込みも良かったから非常に良い状態に見えた。レースでは前半から勝負どころまでは掛かり気味だったけど、直線までシッカリと我慢できたぶん、最後まで長くいい脚を使うことができたんだと思う。

4コーナーや直線での不利がなければ勝負になった、と思ったのはソーマジック。4コーナーではオディールに馬体をぶつけられていたし、直線に向いてからはレジネッタに先に抜け出されて前をカットされたからね。終いまでちゃんと伸びているように手応えが十分にあったわけだから、これらの不利は後藤にとって、かなり悔しいものだったと思うよ。

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昨日の大阪杯は、掛かりながらハナを切ったダイワスカーレットがそのまま逃げ切った。この馬はいつもスタートしてから行きたがるところがある。だけどアンカツ(安藤勝騎手)が馬の力を信用して、手綱を放したまま単騎の逃げに持ち込むことができたから、上手く落ち着かせることができたね。そのあとはレースの主導権を握って、最後まで脚を伸ばして粘り込むダイワらしい競馬。普通の馬だったらこの乗り方はできないけど、それをやってのけるんだから強い競馬をしたといえる。

メイショウサムソンは前回の有馬記念と同様に、スタートからユタカ(武豊騎手)が押して先行するカタチ。まだ反応が好調時に戻っていない感じで、道中も力みながら走っていた。勝負どころでも仕掛け気味に外から進出したから、最後は脚が止まってしまったね。もっと気温が上がってくれば昨年の天皇賞時のように変わってくるだろうし、今回は59キロという斤量も堪えたんだと思う。

3着に入ったアサクサキングスは調教でいい動きを見せていた通り、大幅な馬体増をものともせず堂々とした競馬を見せた。このプラス16キロは成長分だろうし、まだまだこの先が楽しみな馬。1度叩いたことで本番にはさらに良い状態で臨めるだろうね。

終始内々をロスなく通ったエイシンデピュティは、力を出し切って2着。鞍上の岩田は前にいたダイワを壁にして、勝負どころでもよく我慢できていたから、最後まで粘らせることができた。GI馬を相手によく頑張ったと思うよ。


一方で中山のメインのダービー卿CTは、外枠の馬が内枠の馬にフタをするようにかぶせたことで、1コーナーでは各馬が窮屈になって大渋滞。後ろの馬たちは行きたくても行けないゴチャついた感じになってしまい、結局前に行った3頭がそのままゴールまで粘り込んだ。

ペースと外枠に恵まれたとはいえ、1コーナーでスローペースになるとすぐに判断し、大外から果敢に先手を取ったノリ(横山典騎手)の乗り方は素晴らしかったね。レースだけを見ていれば、最初から最後まで着順があまり入れ替わらない平凡なレースに見えるかもしれないけど、こういう騎手の判断の差が出るレースは僕にとっては非常に面白い。「さすがはノリ」ってところを見せてくれたね。

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2008年3月31日

これまではスタートから抑えて直線一気の競馬をしていたファイングレイン。幸が前回までに抑えることをシッカリと教えていた甲斐もあり、今回のレースでは放しても掛からずに、とてもスムーズな競馬ができた。今までは相手に合わせた競馬をしていたこともあって、速い持ち時計がなかったけど、今回は自分のペースでレースを進めて速い流れにもキッチリ対応。馬に「競馬を教える」ということが、この本番で見事に活かされた。

2着には、これまでマイルや1400mのレースで掛かっていたキンシャサノキセキが入った。やはり、折り合いを気にせずに走れる1200mがこの馬に合っているのだろうね。また、スタートからハイラップで飛ばした直前の調教が良かったこともあって、馬体も短距離馬らしいコロンとした良い体に仕上がっていた。そんな力を十分に発揮できる状態でレースに挑めたのも大きかったと思う。

1番人気だったスズカフェニックスは、ユーイチ(福永騎手)がハナから押して行こうとしたことで、馬が慌ててつまずいてしまった。ユーイチにしてみれば、前残りの馬場ということが頭にあったから、なるべく前に行きたかったのだろう。今回は結果的に悪い方向に出てしまったけど、僕はこのチャレンジを尊重したい。1番枠で終始窮屈な競馬になってしまったから、3着というのは仕方ないね。

逃げたローレルゲレイロは、外からハナをうかがったエムオーウイナーが早めに控えたことで自分のペースで逃げることができた。この馬も直線で伸びてはいるんだけど、今回は決め手の差でやられた格好。力は発揮できているし、このペースで逃げて4着に粘るんだから今後も期待したい。

スーパーホーネットは久々が少し影響したかな。でもそれなりに伸びているし、4コーナーでは外を回らざるを得なかったから、この結果はしょうがない。次走は叩いて良化してくるだろうから注目だね。


あとは土曜日の日経賞で、マツリダゴッホが昨年とは明らかに違う姿を見せてくれた。折り合いから何までトータルで成長したと感じたし、特に一瞬の切れをシッカリと溜められるようになったのは、今後に向けて非常に大きい。今までは直線の長い東京などで結果が出なかったけど、我慢が利くようになった今なら、その長所を活かして違う結果を出せるかもしれない。

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2008年3月24日

追い込んで届かないような、いつもジリジリとした競馬をしていたスマイルジャック。だけど今回のスプリングSでは、小牧が積極的に前につける競馬をして、持ち味を十二分に発揮させた。少し枠順に恵まれた感じはあるものの、こういうレースを自ら作って勝つのだから立派。これまでに強い相手と戦ってきた経験がここで活きたね。本番に繋がる良い競馬ができたんじゃないかな。

勝ったスマイルジャックとは対照的に、本番に繋がる競馬ができなかったのがショウナンアルバ。折り合いに関しては、この馬の以前からの課題ではあったけど、行かせるでもなく抑えるでもなく、かなり中途半端な競馬になってしまった。ゲートは行かせるような感じで出したのに、結局ハナを切れずに抑えて、引っ掛かったら我慢できずに先頭。本番はさらに1ハロン延びるんだから、これは課題が残るね。そんな気性だから1回くらい、ぶっ放して好きなだけ行かせちゃうか、結果を無視した抑え続ける競馬が必要かもわかんない。力がある馬だからこそ、このままではもったいないと思えてしまうんだよね。

2着には内をスルスルと抜けてきたノリ(横山典騎手)のフローテーションが入った。やっぱりノリは、今の中山の馬場状態をちゃんと把握してるし、ホントに無駄のない立ち回りを見せた。このレースで1番上手く乗ったと思う。ただ、4コーナーで内にササッてしまったのは誤算だろうね。これはこの馬のクセなのか、苦しがっていたのかはわからないけど、あれがなければスマイルジャックを差し切れたと僕は思う。

途中までいい感じだったドリームシグナルは、やっぱり距離が長いかな。でも、気性的にはホント素直な馬で、最後まで頑張っていたから、もう少し上がり重点の競馬をさせれば距離は持ちそう。今回は勝ちに行ったぶん、残り100mくらいで垂れたけど、2000mくらいまでなら乗り方次第でこなせると感じた。逆にアルカザンは最後までシッカリとしたフットワーク。一瞬の決め手には欠けるところがあるけど、ダービーとかには向いてそう。

サダムイダテンは調教は良かったのに、ここでは力を発揮できなかった感じ。もしかしたら輸送に難があるのかもしれないね。体重もプラス2キロじゃ、ベストの体重に戻っていなかった可能性もある。


阪神大賞典の方は、アドマイヤジュピタが強い勝ちっぷり。早め先頭からアイポッパーポップロックの追撃を凌ぎきるんだから大したもの。血統的に長丁場は厳しいと思う方もいるだろうけど、長丁場で大切なのは我慢強さと落ち着き。そういう点でジュピタは、終始落ち着いてレースを運べていたし、このくらいの距離に問題はないと思う。

人気になっていたポップロックは、道中でもハミを噛みっぱなし。ちょっと馬が怒っているような、リラックスしていない状態に見えた。これはまだ本調子ではないのかもしれないね。

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ペースはそれほど速いわけじゃなかったフィリーズレビュー。だけど、先行馬が横いっぱいに広がってゴチャついた競馬になったから、前の方で落ち着いてレースを進めたい馬にとっては、突っつかれるような厳しい流れになってしまった。

そんな流れもあって、先行馬のほとんどは直線で失速。1番人気のエイムアットビップも抑えずにある程度前に行かせたことが、裏目に出てしまった感じがした。仕掛けどころで先行馬が塊になっていたけど、ユーイチ(福永騎手)は馬の力を信じてマクり気味に進出。結果的にこれが距離のロスにもなってしまったね。まぁ、とにかく今回は展開が向かなかったし、熱発明けということで馬の状態も良くなかったんだろう。まだまだこの馬はやれると思うし、また次回に期待したい。

このレースで1、2着だったマイネレーツェルベストオブミーは、ゴチャついた先団を見る絶好の位置取り。掛かるようなところもなくスムーズに流れに乗っていたから、自分の力を100%発揮できた。特に池添の4コーナーの回り方は、スピードを殺さず馬の負担にもならないキレイな乗り方だった。またアンカツ(安藤勝騎手)は、ペースが上がったところでも内でジッと我慢。最短距離を選んだのはとても良い判断だったね。ともに鞍上の判断が、能力以上の結果へ導いたと思う。

中山牝馬Sも、ゴチャついた先団の前でレースを進めたヤマニンメルベイユが勝った。このレースもヤマニンが単独2番手でシッカリ折り合っていたし、ペースも速くなかったから絶好のポジショニングだったと言ってもいいだろうね。

ニシノマナムスメレインダンスは久々で馬に力みがあったし、状態もそれほど良い様には見えなかった。この2頭はスローペースの好位でレースを進めたけど、流れには乗れていなかったね。

これはフィリーズレビューでも同じことが言えるんだけど、スローペースでも馬が流れに乗れなければ、能力を十分に発揮することはできない。逆にペースが速くても、リズム良く運べれば前めのポジションでも馬は持っている力を出すことができるんだ。だからペースよりも、その馬に合ったレースをさせたり、気分良く走らせることの方が重要なんだよね。

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2008年3月10日

先週は土曜日のオーシャンSを隼人(吉田隼騎手)が勝って、日曜の弥生賞をマサミ(松岡騎手)が勝った。2人ともホントにいつも研究熱心に頑張っているから、結果が出て嬉しかったなァ。これからもさらに期待したいところだね。

弥生賞のマイネルチャールズは、2コーナーまで少し掛かり気味。でも、マサミはよほど馬の力に自信を持っていたのか、抑えるそぶりは全くなし。結果的にそれがいい方向に出て、馬の気を損ねることなく流れに乗れたと思う。ただチャールズは、マイナス4キロの体重だったとはいえ、少し細く見えた。それだけに今後はそれをどう立て直すかが、大きなポイントになってくるだろうね。ともあれ、これで中山2000mは3勝目。同じ舞台で行われる本番に向けて、さらに楽しみが広がる内容だった。

前残りの展開のなか、よく追い込んできたブラックシェルは2着。前走からマイナス6キロではあったんだけど、追い出してからの反応がイマイチで、まだ体が太く映った。もう少し絞れてくれば、この馬本来の切れが戻ってくると思うよ。でも、そんな状態なのにシッカリと権利を獲るあたり、やはり素質の高さを感じるね。

いつも自分の力を出して頑張るタケミカヅチは、今回もいい競馬ができていた。けど、この馬は追い込んでも届かないし、先行しても勝ちきれない。こういうタイプはこの先、厳しくなってくるかもしれない。フサイチアソートも、今回はいいところを見せられなかった。この馬の場合は距離だと思う。

このレースで驚きだったのは、5着のテラノファントム。デビュー2戦目であのような競馬ができるんだから、次はもっと変わってきそう。伸びしろはかなり大きいと思うし、今後もちょっと注目していきたい馬だね。


チューリップ賞は、トールポピーオディールが牽制し合う隙をついてエアパスカルが逃げ切った。オディールはあそこまで我慢させる必要はなかったかもしれないけど、馬込みで折り合うような、本番を見据えた乗り方をアンカツ(安藤勝騎手)はしたかったんだろう。結果は伴わなかったが、収穫としてはかなりあったんじゃないかな。

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2008年3月 3日

いつも追い込んで届かなかったカンパニーが、好位抜け出しで勝った中山記念。ノリ(横山典騎手)はスタートしてからすぐに押していたから、あれはレース前から考えていた作戦だと思う。道中は2番手だったけど、そんなに無理をして先行したわけではないから、カンパニーにしてみれば、少しペースが速いレースのいつもの競馬をすればよかった。こういう決め打ちは、テン乗りだからできることでもあるんだけどね。

外から見ればシンジ(藤田騎手)のコンゴウリキシオーが、1000mを59秒で逃げていて主導権を握っていたように見えるかもしれない。でも、レースを動かしていたのは、2番手で前へプレッシャーをかけていたカンパニー。馬は戸惑うこともなく、流れにもちゃんと乗れていたから、自分の競馬ができていたね。逆にコンゴウリキシオーは、後ろからのプレッシャーもあったけど、あのペースで最後たれてしまうのだらから、本調子ではなかったんだと思う。

終始内ラチ沿いを通っていたエアシェイディは、4コーナーで窮屈になってしまって動くに動けない状態。こうなってしまうと厳しい。でも今回は力負けではないし、スムーズな競馬ができていれば勝ち負けになったと思う。まだ今後も期待できるよ。

エイシンドーバーは上手くハマったけど、この競馬で勝てないっていうのはキツいね。平均的に高い能力があるけど、飛び抜けた特長がないから、今回みたいにペースやいろいろな要素が揃わないと、いいレースはできない。


西の阪急杯は、ローレルゲレイロが楽な競馬で逃げ切った。注目していたスズカフェニックスは59キロを背負っていたから、ある程度前へ行って、馬に負担をかけない騎乗をユタカ(武豊騎手)はしていた。昔は1200mでも掛かりやすい面があったけど、今回の競馬を見ても、そんな面は全くみせていない。直線でも狭いところから伸びてきたし、この馬はもう、完成された古馬といえるかもね。

土曜日のアーリントンCに出走したポルトフィーノは、去年のアストンマーチャンを見ているよう。カリカリして返し馬もロクにできなかったから、精神面の成長が課題だね。

返し馬は予想の時にあまり参考にされないけど、1頭1頭で違う特徴があって面白い。その違いを見極めることができるようになれば、予想にもかなり役立つんじゃないかな。

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2008年2月25日

金曜日にこのブログで「動きが少し重そう」と書いたとおり、ヴァーミリアンの昨日の馬体重はプラス7キロ。他の馬とは実力が違うとはわかっていても、フェブラリーSのレース直前はそれだけが心配だった。

でも、レースではそんな不安を一掃したね。スタートも良かったし、マイルの流れにも全く戸惑うところがなかった。4コーナーでは少し外めを通ったけど、あれは完全に馬なりの状態。スタートしてから隣のワイルドワンダーにマークされるカタチになったけど、逆にマークしているワイルドの方が脚を使わされてしまったね。まぁ、これは勝ちに行ったぶん、仕方のないことなんだけど。

上手く立ち回ったな、と思ったのは幸のブルーコンコルド。GIだからみんな勝ちに急ぐところがあるもんなんだけど、直線に向いて前が開くまで追い出しをシッカリ待っていた。そのぶん、早めに動いたワイルドを最後にかわすことができたんだと思う。

リミットレスビッドに乗っていたマサヨシ(蛯名騎手)も、もう少し仕掛けを遅らせることができれば、上の着順はあった。けど、これも勝負に行ったぶん、伸びを欠いてしまったのは、GIだから仕方のないことかもしれないね。

このレースは、誰かが特別に上手く乗ったとか、下手に乗ったとかはなくて、実力通りに決まったレースだった。フィールドルージュはスタート直後にアクシデントがあって、残念な結果になってしまったけれど、馬のためを思ってレースを止めたノリ(横山典騎手)の判断を僕は尊重したい。

ともあれ、これでヴァーミリアンはGI4連勝。ドバイは各国の強豪馬が揃うレースで、ペースも速くなる傾向があるけど、この馬にはそんなペースが合っているだろうから、ぜひ期待したいね。

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2008年2月18日

ステイヤーの「Stay」って、我慢するとか、抑制するという意味があると思うんだけど、3400mのこのレースは、まさに「我慢」が必要とされるレース。

アドマイヤモナークについては、乗ったことがある一誠(村田騎手)が「すぐ怒るところがある」って言っていたから、この距離では我慢できないと思っていた。だけど、道中はケンカすることもなく、アンカツ(安藤勝騎手)がうまく折り合いをつけて乗っていたね。57.5キロという斤量も背負い慣れているというか、全く苦にする様子もなかったぐらい。追い出しのタイミングも、他の馬が仕掛けてから待つくらい余裕があったから、完全に本格化したといえるんじゃないかな。

スタートしてからゴールまでの6つのコーナーを、最短距離で回ったコンラッドも、最後方でシッカリ我慢できていた。カツハル(田中勝騎手)は本当にキレイに立ち回ったと思うし、無駄のないレース運びを見せたね。

3着のレーザーズエッジはハンデに恵まれたとはいえ、よく頑張っていた。この距離が合っていたのだろうし、次につながるレースはできたと思う。マサミ(松岡騎手)のエーシンダードマンは、少し流れが向かなかったかな。4コーナーではどの馬も手応えがあったから、位置取り的にも外を回らざるを得なかった。それでも、ここまで追い込んでくるのは、菊花賞で4着している実力だと思うよ。ブラックアルタイルが伸びかけたのに伸びなかったのは、距離の壁かもしれない。


西のメイン・きさらぎ賞は、乗り方によっては面白いと、金曜日に言っていたレインボーペガサスが勝った。スタートして2、3ハロン目くらいまでは、折り合いを欠いてケンカしていたけど、ペリエが手綱をガッシリ抑えて上手くなだめていた。抑えることを馬に教えながらも結果も残したのだから、最高の騎乗と言ってもいい。ただ、次も掛かって我慢できないようだと、さらに距離が延びるのは厳しいとも感じた。

スマイルジャックレッツゴーキリシマは、スタートして好位のポジションがとれているように、万全の競馬ができていたよね。でも、レッツゴーキリシマは外枠からの発走で、前に壁が作れなかったのが痛かった。気性的にカリカリしている点が直れば、持ち味の先行力をもっと活かせるだろうね。

ブラックシェルは体が重そうだったし、出遅れたのが痛かった。ペースもそんなに速くならなかったし、あれだけ外を回っては厳しいね。アルカザンはブラックシェルをマークしていたから、この結果は仕方がない。この2頭は次走以降、まだ見直せると思う。

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共同通信杯はショウナンアクロスが果敢にハナを切って、1000mを58秒台で引っ張った。でも、後続とは10馬身ほど離れていたから、後ろの集団にとっては平均から、やや遅めのペースだったね。

勝ったショウナンアルバは道中、集団の2、3番手の位置取り。前走の若竹賞は逃げて勝っていたこともあったし、いいスタートを切ったことで、最初は口を割るくらい馬が行きたがっていた。けど、向こう正面の中間のあたりではマサヨシ(蛯名騎手)が上手くなだめていたね。

そして、勝負の分かれ目が4コーナーの位置取りにある。ショウナンアルバは好位からスムーズに最後のコーナーを回ったのに対し、サダムイダテンは大外に回った。ただでさえ、徐々に順位を上げていくために脚を使うのに、外に回ったことでさらに脚を使ってしまったんだ。アンカツ(安藤勝騎手)にしてみれば、それでも届くというくらい、自分の馬の力を信じていたのかもしれないけど、あれが結果的に相当なロスになった。

逆に内をロスなく回った、ヨシトミ(柴田善騎手)のタケミカヅチは2着。津村のマイネルスターリーも、道中はサダムイダテンと同じくらいの位置にいたけど、内が開くのをシッカリ待って、経済コースを通ったから3着と健闘できた。ヨシトミはこのレースで1番上手く乗ったし、津村の判断もとても良かったと思う。このレースの結果は、4コーナーの位置取りで決まったと言えるかもしれないね。


シルクロードSは、テレビの回顧で「スタートでファイングレインが出遅れましたね」って言っていたけど、あれは出遅れではなく、幸が意識的にゆっくりゲートを出したんだ。今の京都の内側の馬場はボコボコだから、それを避けたかったんだと思う。

そんなことができたのも、幸がファイングレインの力を信じていたからこそ。仕掛けのタイミングも良かったし、特に馬を力ませずに回った4コーナーの乗り方は上手かったね。馬の力を信じていなかったら、あの乗り方はできないよ。

だから、馬の力を信じすぎてもダメだし、信じられなくてもダメ。競馬は相手がいてやるものだから、レース展開を冷静に見極めることも重要。上手く説明はできないけど、だからこそ競馬は奥が深いんだよね(笑)。

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今日の根岸Sを勝ったワイルドワンダーは、パドックから非常にいい雰囲気だった。この馬はダート馬にしては華奢な体をしているんだけど、この日は体重以上に大きく見せていて、いかにも「短距離のダート馬」という、ゴロンとしたゴツい体にシッカリと仕上がっていたからね。

レースでも道中は、内々に潜り込んでジッとする競馬ができていたし、追い出してからの反応も抜群。雪の影響はあったけど、1日順延されたことで、ノメるようなグチャグチャの馬場ではなかったから、実力を十分に発揮できたように思う。これでフェブラリーSがとても楽しみになった。

2着のタイセイアトムは、道中のアクシデントと、エイシンロンバードが逃げられなかったことで楽な展開になった。でも、いいスタートからハナを切って、長い直線でも粘って2着に残すんだから、よく頑張ったんじゃないかな。

注目していたマサミ(松岡騎手)のマイネルスケルツィは、体調の良さが逆に災い。プラス16キロは重すぎたかもしれない。アドマイヤスバルも得意の距離ということもあって、よく追い込んできてはいるんだけど、不利が最後まで響いてしまった感じだね。

とはいっても、ワイルドワンダーはこの距離ならやっぱり強かった。フェブラリーSには、この馬とユタカ(武豊騎手)が乗るヴァーミリアン、ノリ(横山典騎手)のフィールドルージュ、幸四郎のメイショウトウコン、アンカツ(安藤勝騎手)のサンライズバッカス、幸のブルーコンコルドなど、JCダートに続いて豪華なメンバーが揃うから、とても楽しみになったね。

ヴァーミリアンは出走するか微妙だけど、出てくれば当然注目すべき存在。「距離が短い」と言われるかもしれないが、JCダートや東京大賞典でも掛かり気味に追走していたぐらいだから、僕はマイルもこなせると思うよ。

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2008年1月28日

AJCCのパドックで見て驚いたエアシェイディの馬体。前回のプラス2キロは数字以上に太く見えたんだけど、今回は6キロ増えていたにもかかわらず、とても締まった馬体に見えたからね。同じプラス体重でも、今回は前回とは内容が全く違うし、金曜日にも書いたけど、モサッとしていて落ち着きもあった。これはレース前に「行ける」と思ったね。

エアシェイディは実際にレースでも本当によく折り合っていた。前半の1000mが61秒2というスローペースで、残り6ハロンから一気に速くなる激しい競馬だったけど、最初から最後までドリームパスポートをマークした絶好の展開で、最高の競馬をしたと思う。馬の状態が良かったことはもちろんだが、後藤は今ホントに乗れているね。

2着のトウショウナイトはテンを遊ばせて入る競馬をしたのが良かった。切れがない分、最近は少し前めにつける競馬をしていたけど、やはりこの馬は脚を溜める競馬の方が合っている。直線では前が詰まる不利があっても、馬が走る気になっていたしね。これは陣営にとって大きな収穫になったと思う。

平安Sのクワイエットデイは、前がゴチャついたなか、好位の内々で上手く“死んで”いた。流れにも乗っていたから、最後のあの踏ん張りに繋がったんだろうね。ペースが速くないのも幸いだった。

メイショウトウコンは逆にペースが速くないのが災い。前の馬が止まらないから4コーナーでは外々を回されることになったからね。それでも2着にくるのだから強いよ。今回は仕方のないレースだったと思う。ロングプライドはトウコンより先に動いた分、先に止まってしまったね。

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2008年1月21日

見どころは3~4コーナー過ぎ、直線の手前だ。マサミ(松岡騎手)は馬を外に出そうとしたが、ピッタリとマークしていた丹内が、ステルスソニックに馬体を併せるようにして、マイネルチャールズを封じ込める。

結果、チャールズは内に進路を取らざるを得なくなった。それでも馬群を割って抜け出してきたのは、馬の根性をほめるべきだ。もしあそこで馬が怯んでいたら……チャールズは力を出し切れなかっただろう。

1番人気を苦しめた丹内は、3着とはいえ攻めの騎乗ができた。僕はよく若手に話すのだが、レースは綺麗な騎乗だけでは勝てないもの。時には勝負に対する泥臭いまでの執念が必要なんだ。今回の丹内のレース振りには、それがすごく良く現れていたと思う。

マサミも巧く乗った。道中はジッと中団待機。馬の力を信じて、冷静な騎乗ができた。折り合いもスンナリとついて、4コーナーまでは思い通りのレースだったんじゃないかな。

丹内にしてみれば、ものすごく悔しいレースだったと思う。でも、アイツとマサミが演出してくれた4コーナーのせめぎ合いは、このレースの価値をグッと高めたんじゃないかな。「勝ちたい」という気持ちのぶつかり合いが、観る者の心を打つんだよね。

最近は、強い馬が自分のいきたいところを通って、アッサリ勝つようなレースをしばしば観る。それが悪いという訳じゃない。でも、「もっと何とかしようよ」という気持ちもある。競馬っていうのは、戦いでもあるんだから。

今年の京成杯は、“これが競馬だ”という、見応えのあるレースだった。その立役者が僕の教え子だったというのも、また嬉しいね。彼らにはこれからも、こんな気持ちの入った勝負を期待したいと思う。

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2008年1月14日

ガーネットS、シンザン記念と、先週の重賞はこのブログで紹介した馬が活躍してくれた。少しは皆さんのお役に立てたかな?


今回は、取り上げた馬のほとんどが掲示板に載ってくれたガーネットSについて。

このレースが行われた中山ダート1200mという条件は外枠が有利というのは、多くの人が知っていると思う。理由は芝スタートで、スピードのある馬ならば先手を取りやすいからだよね。

このアドバンテージをフルに活かしたのが勝ったタイセイアトム。好スタートを切り、ちゅうちょせず思い切って逃げたユタカ(吉田豊騎手)のファインプレーだ。軽ハンデも味方したが、スピードタイプの馬にこの競馬をされると、後続は手も足も出ない。

この馬は、「外枠が有利」という分かりやすい例だったと思う。でも競馬というのは、有利とそうでない場合が裏表なもの。勝ち馬に対して、外枠があだになってしまった馬もいるんだ。

それはトウショウギア。外枠で前に馬を置くこともできず、道中は常に外に逃げるような格好をして、折り合いを欠いてしまった。乗り役としては「どうにかしよう」と思うのだが、馬がこうなってしまうと、どうにもならない。結果、16着と残念な結果に終わってしまった。

本来有利なはずの外枠も、クセのある馬にとってはマイナスなんだよね。これは覚えておいてもらいたい。

同じく力を出し切れなかったのは、プリサイスマシーン。ノリ(横山典騎手)はロスなく乗っていたのだが、追い出されてからの伸びに欠けた。間隔を詰めていたこともあり、調子自体がイマイチだったのかもしれないね。

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有馬記念からわずか中12日というのに、久々に感じられたJRAの競馬開催。僕と同じ気持ちの競馬好きも多いんじゃないかな。

足を運んだ中山競馬場は、前年比1.8倍の入場者だったという。このレースが対象になった「JRAプレミアム」の効果らしい。どおりで、「例年よりも多いな」と感じたんだ。

さて、中山金杯だが、まずはパドック。僕が見ていいデキだと思ったのは、アドマイヤフジメイショウレガーロサイレントプライドの3頭。2番人気のエアシェイディも気にしていたんだけど、ちょっといつもの活気がないように感じられた。プラス2キロという体重面以上に、動きが重たかったんだよね。

レースはカツハル(田中勝騎手)のメイショウレガーロが絶妙のペースで逃げた。道中も馬がリラックスして走れていたね。これが最後の粘りにつながったんだ。ただ、この馬は物見をするクセがあるのか、1週目、そして最後のゴール前と、少し頭を上げるような仕草をしていた。これがなければ、2着はあったかもしれないね。

勝ったアドマイヤフジも、川田の好騎乗といえると思う。GIで一線級の馬たちと戦ってきただけに、フジにとってここは正直相手が一枚落ちる感じだった。そんな力関係を冷静に把握して、強気の競馬ができたんじゃないかな。

早めに動いて、力でねじ伏せるというレース振り。まさに勝ちパターンという感じで、他の馬にとっては、こういう競馬をされるとちょっと敵わない、というところかもしれない。

2着のエアシェイディは、前半にモタついて位置取りが後方グループになってしまった。これは僕が感じた「動きの重さ」が原因なんじゃないかと思っている。それでも、最後の直線で見せた末脚はさすがだったね。

パドックでは良く見せていながら、6着という残念な結果に終わったのはサイレントプライド。いい位置につけて、タイミングよく追い出されていながら、直線で伸びに欠けてしまった。

敗因としては、揉まれ弱い精神面か、それとも良馬場の発表以上に荒れていた馬場状態か、だと思う。ノリ(横山典騎手)の乗り方にも、状態面にも問題はなかったからね。

払戻金が5%程度(この中山金杯では最大6.8%)上乗せされる「JRAプレミアム」。馬券が当たった皆さんは、二重の喜びだったんじゃないかな。こういった試みで少しでも多くの人が競馬を観に来てくれるというのは、嬉しいこと。今後も続けてほしい施策のひとつだ。

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今日はグリーンチャンネルの番組収録(12月30日21時~放送予定)と、雑誌の取材。明日、明後日も一日中予定があって、よく師走というけれど、今年はホントギリギリまで忙しい。まぁ、出番があることは嬉しいんだけどね(笑)。

さて、昨日の有馬記念。もちろん僕も中山競馬場でレースを観戦したが、今年を象徴するように、流れの重要性が際立ったレースになったね。

これは何度もいっていることだが、レースの流れを作るのは2番手の馬。今回も例に違わず、流れを作ったのはチョウサンの後ろにつけたダイワスカーレットだった。

この馬は不思議な馬で、自分で流れを作ったときは必ず落ち着いた流れになる。常に自分の形になるんだよね。それはこの馬が生まれ持った運なのかもしれない。あるんだよね、そういうのって。

ただ、もし自分が乗っていたら、3~4コーナーで抜け出してきたマサヨシ(蛯名騎手)をあれほど簡単には出さなかったかな、と思う。それで結果が変わったかどうかはわからないけれどね。

そのマサヨシのマツリダゴッホは、すごくうまく流れに乗れていた。無駄な動きをせず、ロスのない競馬ができていたね。今回はそれが一番の勝因だと思う。馬自体に関していえば、精神面で大人になって、折り合いがつくようになっていたのが大きいと思う。大一番で力を出せるようになっていたということだね。

3着ダイワメジャーはデムーロがうまくインコースを回ってロスのない競馬ができていた。でも、もうちょっとスカーレットと勝負させてもよかったんじゃないかな。

4着ロックドゥカンブは、器用な馬じゃないだけに、ゴチャつく後ろ目の位置が痛かった。レースで一度でもキネーンが乗っていたら違ったとは思うのだけれど…もっとやれる馬なだけに、ちょっと残念な結果だったね。

力を出せなかったのはメイショウサムソンウオッカ。前者はユタカ(武豊騎手)の騎乗を批判する声もあるようだが、それはハッキリいって間違い。パドックからして、あの馬の状態は本物じゃなかった。プラス2キロ以上にボテッとして、覇気のあるサムソンらしさがまったくなかった。

実際、レースでユタカがどれだけ押しても反応しなかったからね。サムソンの今回の敗因は状態面。それは間違いないと思う。

ウオッカは、道中折り合いを欠いていた。パッと見じゃわかりにくいかもしれないけど、いつもは安定している四位の体があれだけ揺れているというのは、かなり我慢しているということ。